せいけ

幸福(しあわせ)のせいけのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
4.5
この内容で幸福とはかなり皮肉が利いているタイトル
独特な編集と音楽、鮮やかな色使いで画面の多幸感を演出するけれどそれが却って幸せの上滑り感が表れてくるような
主人公はよく言えば誰にも平等に接することができるかもしれないが、その口から出てくる言葉はとても平板なものでしかない
こちらの方が勿論先だけど、編集のテンポや題材的に森田芳光の「それから」を思い出す
ヨーロピアンビスタの狭い画面比率も人物の距離感表現としてとても効果的だったように思う
しかしオープニングとエンディングの対比の美しさと残酷さが心に残る
不謹慎ながら、ずっと目が離せず面白い映画だった