ryosuke

幸福(しあわせ)のryosukeのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
3.9
動きの多いカメラによる長回し、鮮やかな色彩による映像が美しい。衣装と壁の色は意識して合わせられているようだ。フォーカスの使い方、ピンボケした部分での色の配置も印象的。
筋書きは凡庸で、映像を前に進めるためだけにあるようなもの。物語を発生させるための不倫、動かすための死。軽快な音楽と共に残酷なエピソードがサラッと描かれていく。
シーン転換時のフィルムの着色、会話シーンで切り返しの代わりに長回しのパンを用いる撮影、フラッシュバックによる時系列のシャッフルやイメージ、局所ショットの挿入等、ヌーヴェルヴァーグ的な演出が満載。
ペキンパーの「ゲッタウェイ」の水辺での時系列シャッフル描写ってまさか本作の溺死シーンのオマージュなのか?
最初と最後の美しくも恐ろしい対比で締める。
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