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幸福(しあわせ)の一のレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
3.8
フランスの巨匠 アニエス・ヴァルダ監督作品

幸福を求める平凡な夫婦に訪れる皮肉な運命
人間の根底にある悪意のない残酷さを巧みに描き出す

愛する妻や子供がいながらも浮気願望が抑えきれない夫
というより浮気相手すらも同時に愛しているクズである

この映画は徹底的に主人公の男の身勝手な部分を見せつけられる
ヌーベルバーグの紅一点とも称される女性監督ならではの鋭い視点から、男ってのはこういう生き物なんだよ!と言われてるようにも感じる

残酷でどろどろとした物語なのに、不思議と美しいのが本作最大の魅力
虚しいモーツァルトの音楽が恐ろしく脳裏に焼き付いて離れない

ラストの幸福そうな構図はあまりに冷淡にも観えますが、現実でもこういう話は割とある

終始色彩が美しい映画ですが、パステルカラーの部屋を見て、夫のジャック・ドゥミ監督作である『シェルブールの雨傘』を思い起こす

痛烈に皮肉ったタイトルで胸がざわざわしっぱなし

[Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿77%]
[IMDb 7.6 / Metascore - / Letterboxd 4.0]

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