幸福(しあわせ)の作品情報・感想・評価

幸福(しあわせ)1964年製作の映画)

LE BONHEUR

上映日:2017年07月22日

製作国:

上映時間:80分

ジャンル:

3.9

「幸福(しあわせ)」に投稿された感想・評価

手をつないで歩く若い夫婦と可愛らしい二人の子供
その反面不穏なカッティングで映されるひまわりに違和感が

可愛いお家とお花とインテリア
奥さんのファッションもおしゃれで旦那さんは優しく、まさに幸福
しかし旦那さんは出会ってしまいます
もう一人の愛する女性と
かと言って奥さんへの愛が薄れることもなく、2人を愛している、ただそれだけのこと
背徳感や罪悪感のカケラもなく非常に牧歌的な不倫が続きます

映画冒頭を思わせるラストシーンは女性にとって胸糞そのものでした
男の人の欲望的幸福論なのかな
皮肉たっぷりなタイトルでした
kei

keiの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ピュアすぎるフランソワに途中なんだこいつ、、、と思いつつ見ていたけれどだんだん怖くなってきた、、、。ちょこちょこでてくる花が素敵。赤とか青とか黄色の色彩や、自動車や町並み、ファッション、休日に森に遊びに行く風景は見ていて心地よかった。あとちびちゃんたちがめちゃめちゃ可愛い、、、自転車に砂糖あげるシーンたまらない。
裏表のない素直で正直な心。
打算のない純粋な感性。
それらは時に他人を傷付ける。
その凶器的な無垢さを持つ男に、
彼に期待し寄り添うことを願う女と、
依存しない自由な生き方をしたい女
この対象的な2人の女性が翻弄される。

悩める社会の中、幸せってなんだろう?と
思ってしまう人は少なくないだろう。
世間の通念上の画一的な価値観はあるだろうが、
それは我々が想像しているようなものではなくて、
外見の印象から、中を覗いてみると
案外、結構な代物だったりするのかもね。
Lalka

Lalkaの感想・評価

3.9
『ピクニック』やらジャン・ルノワールってより、印象派やバルビゾン派というか美学そのものが下地に表れてる。

色彩感覚で言えばサイケデリックな衣装にやっぱり惹かれるアホなぼくです。最初のほうのオレンジっぽいのに紫の羽織るとか個人的に大好きなんだが。女に生まれたらあんなの着てそうな自分が怖いけど。

日本語じゃ難しいだろうPTTの電報に♡とかやっぱり好きです。まあ、日本語のが好きですけど(笑)

風刺的側面あっての二股だろうけど、現代的に見ると主人公にイラつきますね。正直者は損をするものだけど、二股なんてものは正直者がやると女を滅入らせてるだけというか。
hazuki

hazukiの感想・評価

4.5
幸福は幸福だけでは成り立たなくて、光ることには影がある。
めろ

めろの感想・評価

3.5
音楽と色の映画。かなりホラー。
am

amの感想・評価

4.0
美しすぎる家族の映像と木管アンサンブルのどこか不穏な響きで始まるオープニングが、早々に「この映画はただ者じゃないぞ」という予感を与えてくれる。

一般的な社会通念に照らし合わせれば、フランソワ(夫)は大バカ正直で最狂に能天気な自己中浮気クソ野郎であり、お前マジか…と思わされる言動のオンパレードなのだが、
いわゆる"社会が要請する倫理観"的なものを一切取り払った時に彼をどのように断罪できるかと聞かれたら、私はちょっと考えてしまう。ピュア過ぎる精神がもたらした悲劇を罪と見なせるかどうか。

それにしてもここまで配色で語る事を徹底した映画は初めて見た。
青・赤・黄(中でも特に青)を基調とした意味ありげな色使いが代わる代わる提示されるので、どの描写も絵画のように美しいのに、いちいちそこに込められた意味を考えてしまって終始気が休まらない。服の色の組み合わせにゾッとさせられるという、新手の恐怖体験。
女性二人は、基本ニコニコしているだけに少しでも表情に陰りが見えたその一瞬がかなり怖い。穏やかに流れる時間の中に見え隠れする破綻の予兆を常に探しながら見てしまう。

妻テレーズと浮気相手エミリーのキャラクターがどちらも記号的であるだけに、フランソワが双方に囁いた「幸せ」の意味が最後まで抽象的にしか聞こえず、それもまた不気味だった。
akrutm

akrutmの感想・評価

4.7
フランソワとテレーズ夫婦、二人の子供の四人家族が郊外にピクニックに出かけているシーンから始まる本作の前半は、誰が見ても幸福な家族の典型像を描いている。しかし、フランソワがエミリーと不倫をするようになり、そのことを妻のテレーズが知るに至って、幸福な家族像が崩れていく、ように見える。しかし、最後は再び幸福な家族のピクニックシーンで終わる。

ストーリー的にはいたって単純であるが、この映画は観賞者に強烈な印象を残す。特に、この映画が制作された1960年代前半は、女性は家庭で夫を支えながら子育てをすることが最高の幸せであるという社会通念が強かった時代。そのような時代に、自立した女性エミリーが最終的に幸せを掴むという本映画は、当時はかなりの批判を受け、非道徳的であるという理由から18禁に指定されている。さすがにヌーヴェルヴァーグの祖母と呼ばれるアニエス・ヴァルダだけあって、最後に非道徳的な幸福像をずばっと提示する先鋭さには脱帽するしかないし、ジャック・ドゥミ同様の色使いなども素敵である。夫婦がペアルックを着ているラストシーンは、まさに男女平等時代に向けての新しい夫婦像を象徴していると言えよう。

しかし、幸福とは何かに関して、異なる見方をすることも可能である。あくまでも前妻の不幸によって成立したフランソワとエミリーの幸福は、はたして心の底から幸福と言えるのであろうか。例えば、映画の中で使われている音楽に注目してみると、明らかに前半の曲調と最後の方の曲調が異なっている。それを、新たな幸福像への高揚感と捉えることも可能であるが、将来に来るべき不幸を暗示しているようにも聞こえてしまう。

結局のところ、何を幸福と考えるかは個人によって異なるであろう。しかし確実なのは、50年を経た現在でも全く新鮮さを失わない本作品のクオリティーの高さである。フランソワを演じるジャン=クロード・ドルオーの現実での家族(妻と二人の子供)がそのままテレーズとその子供を演じている点も、そのクオリティーの高さに貢献しているであろう。
eiganoTOKO

eiganoTOKOの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

多くの人が「自然な幸福のかたち」と思い込んでる、近代家族(核家族 夫婦プラス子供二人 男と女が理想)の「お見本」をフェミニストのアニエス・ヴァルダ監督がぶっ壊していく。ハリボテの幸せなんてこんなもんだぜ…フフフ…
幸せそうな音楽流して、結婚して、子供産んで、お裁縫にお料理にお花に…小さい頃にやった憧れのおままごと…それがゴールよ!なんて幻想だよーん!とここまで皮肉られるとコワイヨ〜。
ママは差し替え可能っていう近代家族や深読みすれば血の繋がりこそが幸せという信仰への批判と、男性の二重基準の批判が同居してる。
さすがアニエス・ヴァルダ。

くるくるダンスしてるとこあたりから、奥さんが愛人か、どっちがどっちかわからなくなってくる。

子供のころから、子育ては女の子、女人禁制の狩猟小屋は男の子。
こうやって、家事は全て妻、夫は家庭の外で男は都合よく不倫もできるという女にとっては息苦しい世界が出来上がる。
子供にもステレオタイプの台詞と演出をいれてきて、あとから思い出すと背筋が凍る…!

カットインに皮肉が効いてて面白い!
髭を剃る男性のポスターそっくりの旦那。奥様は金髪で、素敵なワンピース。
広告そのもの。刷り込みって怖いね。

旦那の天然やばくない?
愛人に「奥さん愛してる」「愛が2つ」「幸せだ」
そりゃあんたはそうだろう。笑うしかない。
奥さんは明らかに自殺なのに、脳内では「溺れて事故で亡くなったんだ…悲しいよ…ボク」と補完すんのよね…
ちょ!おま!都合良すぎ!

エンディングの後ろ姿の四人は、亡くなった奥さんとの家族像と完全に一致。
盛り上がる曲が恐怖を煽って青ざめる。

最後に一言
通りすがりの人のフランスパン食うな!
>|