シネラー

ルパン三世 ルパンVS複製人間のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
最新の劇場版を鑑賞したので、
「ルパン三世」初の劇場版となった
本作を久しぶりに鑑賞。
やはり、原点にして傑作だと思う。

ルパン一味の前に
世界を脅迫する謎の人物マモーが現れ、
激しい追走劇を繰り広げる本作だが、
次回作の"カリオストロの城"が
大衆的で子どもでも分かり易い冒険活劇
となっているのに対し、
本作はアダルト描写もあるシリアスな
内容となっている事が大きな特色と
言えるだろう。
まずは、70年代の時代でクローン
という科学技術を組み込んだ内容を
描けた事が凄いと思う。
又、本作の好きな要素として
挙げられるのが、ルパン一味以外の
登場人物が絞られている事で、
一味それぞれの心情が
深掘りされている点である。
マモーとの決戦に向かうルパンを
止めようとする次元の場面は、
シリーズ全体の中で個人的に
一番好きな場面かもしれない。
不二子を拐われ、自分自身の夢(存在)
を取り戻す為に、
マモーに立ち向かうルパンには
大人としての憧れを感じざるを得ない。
そして、そのマモーの強大な悪役
としての魅力も素晴らしい。
最終的にマモーがルパンに拘る理由
には、自分の想定外を生きる存在である
ルパンを抹消する為なのかと思った。

気になる点だが、
流石に古い作品であるが為に、
物語展開の細かな粗や
アニメーションとしてのクオリティに
見劣りしてしまう部分があるのは
否めない点だ。

いつもの主要人物達の魅力を存分に
描いた、劇場版第一作だと思う。
やっぱり大人向けな作風の
ルパンが個人的に好みだ。
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