Catman

ルパン三世 ルパンVS複製人間のCatmanのレビュー・感想・評価

5.0
数あるシリーズ作品の中で、(私の考える)ルパンの世界観が最も理想的に表現されているのがこれ。軽妙洒脱でオシャレ、ユーモラスでセクシィ、スラップスティックなアクション、ハード&ソフト、多国籍で無国籍。一言で言えば「粋」。
まぁとにかく作画が、グラフィックが素晴らしい。切り取ってポスターフレームに入れたくなる様なカットが満載。キャラクターの表情やポージングがいちいち洒落てる。そう、ルパンのキャラは手足が細く長くなきゃいけないんです。可愛らしいB地区まで披露している本作の不二子ちゃんはホントにルックスが良くて魅力的。従来の日本のアニメや漫画的でも無い、かと言ってアメコミとも違う、ルパン独自のスタイルが見事に描かれていて痺れます。アナログならではの生き生きとした描線やエンピツらしき筆致も複眼。
レギュラー声優陣も絶好調で、山田康雄の芝居は相変わらず神懸かり的な名演。マモー役の西村晃の重厚な演技も流石で、これはキャスティングも見事。納谷、小林、井上、増山も素晴らしく、まさに鉄壁の布陣。脚本は些かまとまりを欠くものの、まさかのSF展開を見せるストーリーはクローン人間をテーマに扱う先進性と神秘性、製作陣のチャレンジスピリットが感じられて好き。日本のラロ・シフリン・大野雄二の音楽も毎度ながらパーフェクト。ただ使われ方がテレビ的なのはちょっと残念かな。

90年代以降に量産されるテレビスペシャルが、まるで劣化コピーの様にどんどん質が落ちていったことを考えると、マモーの『君は確かにオリジナルのルパンだ!』と言うセリフは実に味わい深く感じるって寸法です。