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座頭市二段斬りのcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市二段斬り(1965年製作の映画)
3.5
シリーズ第10作。印象薄め。どこと無くテレビドラマの様な軽さを感じてしまう。脚本と演出に基本フォーマット以上のものが見られないだけでなく、セットでの撮影が多いのも一因か。
このシリーズは基本的には市に対峙する敵役の存在感がキモになるわけなんだけど、本作はそれが特に弱い。勝新も安定感はあるものの、周囲のキャラクターとの間にケミストリーが生まれないのでマンネリを感じてしまうのが正直なところ。いっつぁん、普通に良い人になり過ぎてやしませんかい?
主要キャラクターを担う三木のり平の、如何にも喜劇役者然としたノリは余りにも俗っぽくて緊張感を削ぐだけだし、子役時代の小林幸子も芝居と歌が達者過ぎるのかあざといのか、逆に可愛げが無い。

ちょっとディスり過ぎました。伊福部昭の音楽は凄く良い。フラメンコ調哀愁のギターサウンドはマカロニウエスタンそのもの。それと劇中に2箇所ほど手持ちカメラの撮影によるシーンがあって、当時の時代劇には珍しい臨場感あふれる手ブレ映像に目を見張る。
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