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新学期・操行ゼロのkazu1961のレビュー・感想・評価

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)
3.9
▪️JPTitle :「新学期 操行ゼロ」
ORTitle:「Zero de conduite」
▪️First Release Year : 1933
▪️JP Release Date : 1976/08/14
▪️Production Country : フランス
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-234 再鑑賞
🕰Running Time : 44分
▪️Director : ジャン・ヴィゴ
▪️Writer : ジャン・ヴィゴ
▪️MusicD : モーリス・ジョベール
▪️Cast : ルイ・ルフェーヴル、ジルベール・プリュション、ココ・ゴルステン、ジェラール・ド・ベダリュー、ジャン・ダステ、ロベール・ル・フロン、デルファン
▪️Review
🖋今観るとそのストーリーはありがちなんですが、何せその基礎を作った人、ジャン・ヴィゴ。寄宿学校(それもカソリック)の生徒の教師や神父という権威に対する抵抗、いわゆる体制への抵抗を描いたアナーキズムの作品なんですね。音楽こそコメディチックなんですが実はとてもシュールな作品です。

🖋 世界の映画作家が敬愛するジャン・ヴィゴ。
たった4作品しか遺せず29歳でこの世を去った伝説の映画作家です。本作はその第3作目。寄宿学校の生徒たちの自由奔放な日常を、硬直した大人と対比させて描くジャン・ヴィゴの代表作で、1933年に完成しましたが教育制度に対する批判を理由に上映禁止処分され、第二次大戦後の1945年にやっと公開されたんですね。

🖋 自由奔放な生徒たちの無邪気なエネルギーを、ルール重視の偉そうな大人たちとの対比の中に瑞々しく発散させました。印象的な枕投げのシーンや屋上で勝ち誇った声をあげる生徒たちが今にも飛び立たんとするラストシーンでそれは不動なものになります。ちなみに放題の「操行ゼロ」というのは、罰としての「休日外出禁止」のことだそうです。

🖋ジャン・ヴィゴは刺激な撮影技法を随所で使いました。スローモーションやアニメーション、いくつかの印象的なモンタージュ効果、トリック撮影を駆使した実験映像を効果的に使っています。

🖋今観ても色あせなきアナーキズムに影響された映画人は多く、「大人は判ってくれない」も「わんぱく戦争」も、本作の影響を受けています。

🖋物語は。。。
全寮制中学に通ういたずら盛りの少年たちを、先生たちは規則づくめで抑えつけ、管理しようとします。規則違反のもっとも重い罰は“操行ゼロ”(日曜日の外出禁止)でした。自由を奪われた少年たちは学園祭で革命を起こそうとし。。。

▪️Overview (映画. comより)
詩的な映像表現と才気に満ちた4本の作品を遺し、29歳の若さでこの世を去ったフランスの伝説的映画作家ジャン・ビゴが28歳の時に手がけた監督第3作。フランスの全寮制中学。教師たちは規則で生徒たちを抑えつけ管理しようとする。ついに我慢の限界に達した生徒たちは、自由を求めて“革命”を起こす。そのスキャンダラスな内容から12年近く公開禁止となった。日本では1976年にフランス映画社配給で劇場公開。2018年12月、ビゴ監督の唯一の長編「アタラント号」4Kレストア版の劇場公開と同時公開。
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