ある朝、ある町のとある一軒の家。
中で1人の男が身支度をしている。
リビングルームにはその家の家族の血まみれの死体が転がっていた。
男は身支度を済ませると、その家を出た。
“家族の秩序”を求めて殺戮を繰り返すというサイコ・キラーを描いたスリラー。
実際の事件、ジョン・リスト事件をモチーフにした映画です。
内容はサスペンスとサイコホラーが程よくミックスされた佳作で、理想の家族が築けなければ家族を殺害して新たな家族を求めるという設定が面白い。
殺人鬼役は『LOST』のテリー・オクィン。
まだ髪のある頃。
理想の家族を求めて殺人を繰り返すサイコ野郎になりきります。
ちょっとでも気に入らないと、家族全員皆殺し。
また、新しい家族を創るため旅に出ます。
テリー・オクィンの演技っていいですね。
気に入らないことが起きて1人になった時のひょう変振りが凄い。
あからさまに狂っているわけではなく、一見理想的な夫であり父親でありよき隣人なのに、たまにゾロリとその下にある狂気をのぞかせるところが…。
善良な人が・・・というのは、ヒッチコック映画『疑惑の影』でもみられるパターン。
そしてキレた時の演技にインパクトがありました。
「秩序だ!!」
「家族には秩序が必要なんだ!!」
彼の言う「秩序」から1mmでもハズレたら…。
この映画では嫌な奴でしたが、いい演技だったと思います。
ちなみに彼はこの映画のサイコ振りを認められ、インディペンデント・スピリット賞の主演男優賞にノミネートされています。
ウチの父親、ウザいんだ……なんて思っているアナタ。
この映画を観て、実の父親の有難さを思い知りましょう。