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コブラ・ヴェルデのTSのレビュー・感想・評価

コブラ・ヴェルデ(1988年製作の映画)
3.1
【総督にまで上り詰めた男】71点
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監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
製作国:西ドイツ
ジャンル:ドラマ
収録時間:113分
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ジャケットからクラウス・キンスキーの怪演具合が伝わってきます。ヘルツォーク監督とキンスキーのタッグはしばしば見られ、『アギーレ 神の怒り』で最高潮に達します。今作はそのタッグとしては最後の作品らしいですが、正直いうとどこか物足りない。キンスキーの演技力には脱帽せざるを得ないですが、やや退屈してしまう描き方であることも否めません。

山賊のコブラ・ヴェルデは放浪の末、農園の奴隷監督の職に就く。しかし、そこの奴隷女性を何人も犯したことにより、奴隷商人として飛ばされてしまうのだが。。

劇中に出てくるアボメーとは実在した国であり、後のダホメー王国として世界史の資料集に載るほどです。彼はそこで奴隷を引っ張り、アフリカ総督の地位にまで上り詰めていきますが、最終的に全てを失います。波乱万丈の男の半生を描いた映画であり、悪しき奴隷貿易の事情も描いている歴史映画でもありますのでそれなりの見応えはあります。現に、奴隷に吠え続けるコブラ・ヴェルデの姿はまさに鬼。奴隷にどこまで響いているのかはわかりかねますが、狂信的な指導者というのはこういう行動をとってきたのかもしれません。

ただ、これといって迫力のある戦闘シーンがあるわけでもなく、意外にも淡々と物語は進んでいきます。てっきり驚愕の復讐劇みたいなものかと思っていたので、少し期待はずれでありました。クラウス・キンスキーのなんとも言えないあの演技を見たい方は是非。
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