あしたか

オーロラの彼方へのあしたかのレビュー・感想・評価

オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)
4.5
[再鑑賞]


[あらすじ]
ある日、ジョンはクローゼットの奥から父の形見の無線機を発見する。オーロラの輝く夜に無線機を使ったジョンは、なんと30年前に死んだ父フランクとの交信に成功する。くしくもその日は消防士の父が救助中に事故死する、まさにその前日であった。ジョンは必死にフランクに別の脱出ルートを使えば助かることを伝えるが…。


一級SFサスペンス × 家族ドラマ。
時を超える式のSFでは『バタフライ・エフェクト』と並ぶ面白さを誇る。
作り込まれた脚本の面白さにただただ驚嘆。

序盤は(邦題の効果もあって)「ほのぼのSFドラマなのかな。お父さんと話せてよかったね」とのほほんな気分で見ていたら、中盤から突如ノンストップの刑事サスペンス映画に大変身。その意味では一度で二度美味しい映画だ。

過去を良い方向に改変したつもりでも思いもよらない未来になるあたりは『バタフライ・エフェクト』と似ているし、それが物凄いサスペンス性を生んでいる。
同時に、あれがあれに繋がっていたのか!という驚きを与えてくれる。

中盤以降は、ある殺人事件の犯人を未来と過去の両方から挟み撃ちで叩かんばかりの連携プレイを、主人公の親子が見せる。過去からある物証を未来に送ろうとするシーンでは、その手があったかと感心してしまった。

親子の絆たる要素として"野球"が登場するが、これがある人物を説得するシーンで役立っているのがまた良い。サスペンスとして重要な要素が家族ドラマの演出にも一役買っているというのが実に巧妙だ。

SF要素を上手に生かし、現在と過去の両方で戦っていく過程はとてつもなく緊張感があり、興奮する。
終盤の怒涛の展開には手に汗握ってしまうし、待ち受けるラストには熱くなると共に涙さえ出そうになる。ある人物が銃を撃つシーンは最高だ。

様々な感情を味わえる非常にゴージャスな作品と言える。
では最後に。ヤフー!
あしたか

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