むぅ

オーロラの彼方へのむぅのレビュー・感想・評価

オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)
4.1
「え、ティロリじゃない?」
「テレレでしょ」
「ピロリっスね」

事の発端は私。
オーロラソースって何と一番合うのかねと言ったところから、海老とか鶏とかポテトと候補が上がり、1人がマックのポテトを家で食べる時はケチャマヨで味変すると言った。え、マックのポテトは揚げたてじゃないと!ともう1人が言う。確かに並んでる時にあの音聞こえると、お!って思うよねという所から、"あの音"はどう聞こえるか論争になった。

「結局何でオーロラソースだったんスか?」

言えない。
今作を観たからなんて。


舞台は1969年と1999年のNY
空にオーロラが現れたその日、父の遺品の無線機に話しかけたジョン。繋がったのは30年前の父だった。そして30年前の明日は父が殉職した日。
会いたい。
その一心でジョンがとった行動で..。


「月が美しいですね」
その言葉で想いを伝えようとした人がいたように、空を見上げる時、そしてそれが夜空である時、大切な誰かを思い浮かべることは多いのでは、と思う。
流れ星が願い事を叶えてくれるというなら、オーロラのカーテンをめくったらもう会えないその人に会えそうな気がする。
オーロラが繋げる数日間の奇跡。

現実で存在しない、または存在し得ない事柄を描くのがファンタジー。現実に存在し得る、また将来いつか存在するようになる事柄を扱い、つねに論理の領域内にある可能性に限定されるというのがSF。そう聞いた事があるが、だとしたら今作はSFだといいなと思った。
もう会えないその人の声を聞けたら。

私がやるケチャップとマヨネーズを混ぜてオーロラソース!ではなく、SF、ファンタジー、親子愛、アクション、サスペンスと様々な要素が混ざり合う今作。
そう言えばオーロラソースはフランス語の"aurore(明け方、曙)"が語源で、トマトのもたらすオレンジがかったピンク色や曙色からその名前だと知ったのは何年前だろう。

鑑賞後、夜明けを見たような気持ちになる。

映画もちょっとソースみたいなところがあるのかな、と思った。
自分の気持ちにかけるソース。
今日はピュアな気持ちになりたいな、そんな気持ちでかけたソースだった。こんな選び方も楽しい。


「当てたらマック奢るよ」
絶対何かしらの映画観てオーロラソースって言ったっスよね?としつこいので、そう言った。
「当てるっス」
期限は明日。
当たったらそれはそれでオーロラが呼んだ奇跡。
むぅ

むぅ