広島カップ

ダイナマイトどんどんの広島カップのレビュー・感想・評価

ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)
4.3
「巨人の星」のテレビ放映が1968年からです。
当時小学生で大の巨人ファンだった私は、14インチのブラウン管を食い入るように観て、大リーグボールを真似したものです。

その後、「侍ジャイアンツ」、「アパッチ野球軍」、「アストロ球団」などを観たり読んだりしていきましたが、“大リーグボール“の影響か、作品が段々と野球というゲームから離れていくような気がしてきてしまいました。
超人的な、ルール無視な、現実離れした物に接している感じに、いくら小学生でも「ちょっとなあ」って気分になっていきました。

この映画の野球のシーンは何だかその時の感じに似ています。
良く言えばパワフル、悪く言えばはちゃめちゃのぐちゃぐちゃ。野球かなぁ?
でも、そこが良いんてす。
田中邦衛のピッチングフォームなんて格好いいではないですか。

「任侠道にのっとり、正々堂々と闘うことを誓います。」…開会式での選手宣誓。
「任侠ォォォ」と絶叫する嵐寛寿郎。
九州弁で大きな声でがなりまくるムサ苦しい男ども。
菅原文太の超絶居酒屋破壊シーン。
なんてパワフルな笑いの野球映画でしょう。



※ここから先はカープファンの独り言です。



こういう話を聞いたことがあります……



左足を高く上げる元巨人の西本聖ばりのフォームで投げる北大路欣也を見ていると、どうしてもあの試合のことが思い出されます。

1979年8月1日広島市民球場での対読売戦。


この時鉄人衣笠祥雄は連続試合出場の日本記録に向かって驀進中で、対する読売の投手が西本聖という試合でした。

この日西本はカープの打者にぶっつけ放題にぶっつけ、最後は衣笠の左肩甲骨に目掛けて得意のシュートを放る始末…
衣笠は左肩甲骨に亀裂骨折を負い退場。
広島市民球場に詰めかけたカープファンはフラストレーションが溜まりッ放しで球場全体が騒然とした雰囲気に包まれました。
現在ネットで見れるその場の状況はそこまでですが、そのあとにまた、知る人ぞ知る逸話がありました。

木下富雄

現在は「カープ鳥」という名の焼鳥屋を経営していますが、カープの現役時代は鼻髭を生やしパンチョという愛称で呼ばれた大型の内野手でした。

衣笠のデッドボールで拡がったチャンスに打席が回ってきたのが、この木下富雄でした…



この映画の劇中で石橋正次演じるダイナマイツの投手に捕手役の菅原文太が、「お前あそこさわってみい、縮こまっていやせんか?」(私の九州弁ちょと怪しい)
と話し掛け、石橋がマウンド上で手をズボンに突っ込んで確めるシーンがあります…



その時打席に立った木下富雄は試合後のインタビューに答えてこう話したそうです。
「ここで打たないとタマナシと思われる」…


男の気持ちの表現方法がこの場面の木下と、今作の男達と近いように思います。
この試合、木下は見事に適時打を放ち市民球場の観衆に応えたのでした。

2016年9月10日
嗚呼ァ。四半世紀ぶりの広島カープ優勝!

嬉しいいいいィィィィ!!!!!
\(^-^)/

この先何回かは野球が素材の映画をレビューして優勝の味を噛みしめたいと思います。
映画のSNSなのに…カープファン以外の方、どうかお許し下さい。
なんせ来年以降、我がチームの場合次がいつあるか分かりませんし、少しハシャガせて頂きます。
やたらとカープ、カープと書いてしまうかも知れません。
広島カップ

広島カップ