(勝手に )特集:
トム・ハンクスの名作を観よう♪
Facebookのフレンドが何千人いるとか、Twitterのフォロワーが何十万人いるとかが自慢になる現代。
このフォレストガンプのように、人生の中で出会った、たった4人の理解者を一途に想い、交流を大切に紡ぐ人間像に、今だからこそ温かみを感じざるをえない。
人には感情があって、それが人間関係を厚くするが、時にネガティヴな方向に向くこともある。
信頼した相手に裏切られれば相手を憎むし、想いが叶わないと知ると妙な執着で相手を苦しめる。自分の思い通りに相手が動かなければ、力づくで圧力をかけてみたり、嫌いな相手には平気で傷つける言葉をあびせてしまう。
しかし、このフォレスト・ガンプのように、シンプルな感情だけで相手を愛し続ける事ができたら、なんと世界は平和になることだろう。
そんな憧れに胸焦がれてしまう。
普通の人と違い、知能が多少低いということで幼少期からバカにされ続けるフォレスト・ガンプが大人になっていく姿を、アメリカの歴史•サブカルチャーと一緒にひもどく、さしずめ小説のような風合い。
物語の大半が、大人になったガンプの語りで構成されているので、ますます小説のよう。
監督はロバート・ゼメキスなので、シナリオが超わかりやすい。彼にかかると、ベトナム戦争さえもポジティブに見える。(笑)
アメリカの歴史やサブカルチャーの回想部分では、個人的にはウォーターゲートホテルとフルーツ企業のくだりが面白い。(笑)
肝心のトムハンクス。
キャラクターに愛嬌と親しみやすさを観客に与えたのは、彼の演技役づくりにあるだろう。知能が低いといっても、大学を卒業できるのだから、通常の知的障害ともニュアンスが違う。なんとなく、マイノリティのくくりに入るだろう個性的な青年役が、トム・ハンクスにぴったりだ。
過度な演技をせずとも、フォレスト・ガンプの個性を上手く表現している。
トム・ハンクスって実はハンサムなんだな、と感じたのは、フィラデルフィアという映画。HIVに感染した青年役で、そう気付いた。
ハンサムというか、嫌味のない整った顔立ちなのかもしれない。上手く役に溶け込む雰囲気を持った役者さんだ。
死は生の一部。
誰かをへんな駆け引きなく、純粋に愛する事のできるガンプの人生に、ほんわかした気分にさせられる。
コミカルな映画なので、見やすいので万人におすすめ。