Kei

フォレスト・ガンプ/一期一会のKeiのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

トムハンクス演じる主人公、フォレスト・ガンプは、頭がおかしいと言われながらも、ベトナム戦争が起きる60年代〜70年代を自分が信じる道を突っ走る人生を送る。
冒頭、羽根がバス停にフォレストの足元に舞い降りて、見知らぬ乗客に独白をはじめる。
生まれつき背筋が悪いため、補強器具を取り付けていたフォレストは、いじめっ子から追われる。
石を投げられ、ヨタヨタと走っていたフォレストが、徐々にスピードをあげて、CGだが次第に足を補強していた器具がひとつひとつはぎ取られ、安定したフォームで、いじめっ子たちが追いつけないほど一気に走り去っていくワンシーンは、この後のフォレストの人生を表している。

ラスト、回想明けにバス停から走り出すフォレストは、子供を授かっていたことを隠し一人で育ていた妻を責めず、実の子が自分の遺伝(発達障害)を引き継いでないかどうかを真っ先に心配する。

それまで、どことなく「発達障害を演技しているトムハンクス」というフィルターで見ていたからなのか、さっきまで「障がい者」だった人間が、一瞬にして「父親」の顔つきに変わり、フォレストと一緒に息子の後ろ姿を目を見張ってしまっている自分がいた、

妻、亡き後、彼は、幼少の頃に通学していた同じスクールバスに、息子が乗るのを何か言いかけるのをやめ、黙って見届ける。

本に挟んであった羽根が落ち、宙を舞い、風に揺られ我々がいるほうにむかって暗転する。

鳥が、羽根が落ちるまで、翼を羽ばたかせるように。
フォレストが、補強器具がはぎ取れるまで全力で人生を走りきったように。
「神様、私を鳥にしてください。そうすれば、遠くに飛んでいきます。ここから遠いところに」と神に祈りながらも死にきれなかったジェニーが、それまでの辛い過去を捨て、今に生きたように。
私は、なにか自分の足かせとなってるものをはぎ取れるまで、過去にとらわれず、必死に、今に、生きてるだろうか。。。
見終わった後、久しぶりに、姿勢を正した映画だった。走ろう。
Kei

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