ピカル

フォレスト・ガンプ/一期一会のピカルのレビュー・感想・評価

4.2
【愛の詩の話】

『フォレスト・ガンプ』観ました。

トム・ハンクス主演の有名な映画。
観たい、観たい、と思いつつ、先延ばしにしてしまっていたのですが、やっと鑑賞することができました。

主人公・フォレスト・ガンプの足下のショットから始まるこの映画。

“靴”が重要なメタファーになっています。

どこから来て、どこへ向かうのか。
フォレスト・ガンプの人生をなぞりながら、人生を“歩む”こと、そして時には“走り出す”こと。
つい、そんな深読みをしてしまいます(笑)


映画を観始めてすぐ、しまった、と思いました。

私はポップコーンを食べていたのです。

チョコレートにするべきでした。

それもそのはず。

「人生はチョコレートの箱のようなものだ。開けてみるまで分からない」

こんな印象的なセリフから始まるのです。


本編は最初から最後までフォレスト・ガンプのおしゃべりで展開されます。

こんなに魅力的なおしゃべりが他にあるでしょうか。

淡々としたフォレスト・ガンプの自分語りは、私にはまるで愛の詩(うた)のように聴こえました。

余計な飾りがなく、羽が舞うように実に軽やかなリズムで、雨が降り、太陽が顔を出し、生と死が繰り返される。

その中心にあるものは笑顔でも涙でもなく、愛なのだ、と。

「僕は愛を知っている」

フォレスト・ガンプの独りよがりで、だからこそかけがえのない確信が、普遍的な愛へと収束される、狂詩曲(ラプソディ)なのだ、と。

この映画の美しい“足跡”に気付いてしまったとき、日常がそっと色づき始めたような感覚になりました。


バスを待つ少しの間、たまたま隣に座ったフォレスト・ガンプの話に耳を傾けてみるのはいかがでしょう。
話を聴き終わって歩き始めた時、きっとすてきな“足音”がするはずです。