KANA

フォレスト・ガンプ/一期一会のKANAのレビュー・感想・評価

4.1

初見は劇場で。
何回か観てるともう、"運命"のメタファーといえる白い羽が舞い降りるオープニングから条件反射的にウルッときてしまう…

シンプルに感じ、シンプルに考える。
自分に関わった人を決して裏切らない。
自分を信じる。
その大切さをフォレストはいつも教えてくれる。

「人生はチョコレートの箱のようなもの…」
確かに人生どんな事が起こるかわからない。
それをポジティブに喩えて諭す、そんなお母さんがまず素晴らしい。

人生を様々な時代が流れていくけれど、フォレストはしっかりと地に足をつけ、誠実さをただ一心に貫く。
そして頭で考えるよりもとにかく行動!
損得を考えず、その時その時の自分にできることを精一杯続けていく。

フットボール部にいる時はただただ懸命に速く走る。
軍隊にいる時は上官の言いつけをよく守り行動する。
卓球にハマれば無心に練習する。
親友と約束すればその通りにエビ捕り船を動かす。
突然走りたくなったら気の済むまで何年間も走り続ける。

クリエイトする才能がないなら集中力を生かしてひたすら努力。
これまたお母さんの
「自分の運命は自分で決めるの。神様からの贈り物を最大限に生かして」
という名言につながる。

彼にとったら成功=幸せじゃない。
フォレストの辞書に「名誉」の文字はない。
母の無償の愛、ジェニーの優しさ…それらに触れる時の目の輝きが彼にとっての本当の幸せを表現してる。
「僕は賢くなくても愛が何かはわかってるよ」
トム・ハンクスのその辺りの繊細な演技が本当に素晴らしい…。

また、そんなブレない純粋さと単純さが、世の中で起きている破滅や狂気を際立たせる。
フォレストに寄り添ってると、彼を取り巻くメディアサーカスにはつくづく呆れてしまう。
そして映像的には歴代大統領やジョン・レノンなど有名人たちとハンクスの夢の共演を実現させたりで、現実のシニカルさとファンタジーのバランスが絶妙。
そこはさすがロバート・ゼメキス!

ベトナムは怖かった?と聞かれて
「そうかな…でも雨が上がって星が出てくると綺麗だった…」
その時代、戦地ベトナムに美を見出すアメリカ人なんて彼くらいだろう。

これからも定期的に観たい大好きな作品。
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