電気羊

リラの門の電気羊のレビュー・感想・評価

リラの門(1957年製作の映画)
3.5
飲んだくれで無職の住所不定の薄汚い中年男の主人公は、ギタリストで芸術家と呼ばれる知り合いの家に居候させてもらっていた。

主人公は、中年太りで貧乏と全く冴えないなのだが、馴染みの酒屋の一人娘に恋心を抱いており、なぜかその娘もまんざらでもない風なところが解せない。

そんな最中、強盗事件で警察官と打ち合いになり、警察官と通行人を死傷させた容疑者が、芸術家の家に転がり込んでくる。

二人はやむなく地下室に容疑者を匿うが、共に生活するうちになんとなく友情が芽生えていく。
だが、主人公が娘の気を引こうと容疑者を匿っているとうっかり話してしまったことで事態が一変。娘は興味本位に芸術家の家に出向き、容疑者と知り合うが、そこで娘が容疑者に一目惚れをし恋愛関係となる。

だが、酒場の店主が芸術家の家に来訪して、娘が芸術家の家で正体不明の男と逢引きしていることに不信感を覚えたので警察に通報すると伝えに来る。

それを聞きつけた容疑者は、高跳びをするために金が必要になったので、娘に酒場の金を盗み出させ自分へ渡してくれるように手紙に記し、主人公にその手紙を娘に渡すように依頼する。

娘は、容疑者とともに駆け落ちするつもりで金を盗み出し、主人公に容疑者へ渡すように金を託す。
主人公は、容疑者へ金を渡すが、容疑者は逃亡に娘が邪魔だから金だけ持って一人で逃げるつもりだと主人公に告げる。
娘に恋をしている主人公は、娘が不憫すぎると容疑者に金を返せと詰め寄る。容疑者は拳銃を取り出し、主人公と揉み合いになるうちに銃が暴発し、容疑者は死亡する。

金を取り戻した主人公は、芸術家の家へ戻り、芸術家に金を返しに行く決心を告げた後、窓から見た雪が降りしきる外の風景を力なく眺めているシーンでエンド。

自分の思い通りにならないのが人生。それでも生きていくんだよな。
電気羊

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