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スパイダーマン2のtorakoaのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
2.3
唐突な「焼きそば食べる?」で声出して笑ってしまった。その返しが「ピーター 私結婚するの」。何なのもうw いや、ピーターの不器用さとか対人スキル(特に女子)とか諸々の表現でもあるのはわかるんだけども。面白すぎてそこまでの内容ふっ飛んだよね。
そこが面白かったので評価ちょっと上げといたけどw
色々前作から引き続きよろしくない。

脚本が微妙、話運びや演出のセンスがアレ。1カット1秒程度の挿入で充分なとこを3カット10秒ぐらい費やしてくる感じだったり無駄場面多かったりテンポ悪い。モブ女性の絶叫をアップで入れる意味がわからない。そうしなければならない契約でもあるのか。大作にしては編集センスがダメすぎやしないかこのシリーズ。
詰めれるとこ詰めてタイトにすれば2.1(エクステンデッド版。レンタルBDで観られるはず)に入ってた分の誕生日シーン入れられただろうに。親友ハリーが父の仇を殺してやりたいとか吐露するとこは入れたほうが良かったろ。削っていい無駄場面あちこちにあるのに何なんだ。取捨選択間違ってると思う。

今回も多分照明が良くない。粗が隠せてない感じでチープさが出てる。手術室の場面のB級感が物凄い。そして無駄に長い。こういうところに監督の嗜好、作家性が出るんだろう。
火事で「まだ子供が中にいるのー!」またなの?他にないんかい。毎回子供だけ置いて逃げ出してくる親がいるのも気になるし、そんな火勢でそんなに炎上してる中で元気に動ける人達が気になってしまう。派手にしようとするから引っかかりが出るんだよ。やり過ぎよくないと思うよ。
音楽も内容の割に派手すぎて過剰演出感あった。挿入歌のセンスもどうかなあ。

前作からパワーアップしてたのはヒロインのいけ好かなさぐらいじゃなかろうか。どのへんに魅力があるのか、何故主人公はこいつがそんなにも好きなのか考え込んでしまった。6歳時の一目惚れとかいう説明は前作であったが、盲目的に崇拝してらっしゃるっぽいのが腑に落ちない。大して交流なかったから恋に恋する状態で本体見てない感じなのかなー。女優として、モデルとしてかな、唐突に成功していたのは彼女が魅力的である説明のためでもあるんだろうけど、観客が必要とするヒロインの魅力はそういうのじゃなくて好感持てるエピソードだと思う。箇条書きみたいな説明では説得力ない。

ヒロインのほうは常に自分を愛してくれる人を求めてるので(ろくでなしの父親の影響)、長年ひたすら恋い焦がれてくれてたピーターが特別なのはまあわからんでもない。いつどこで彼に対してそういう気持ちになったかはわからなかったけど。
終盤、満面の笑みで走ってくあたりにサイコ感というかホラー感が。悪びれもしてないのが凄いよね。何なんだろうこの人。幸せになってほしいとか1mmも思えないんだが、本気でヒーローの想い人・ヒロインとして描いてこれなのか。むやみに派手な起伏つけて話を盛り上げようとかするとそのアオリを食って人間性に問題が生じるからいい加減やめたほうがいいと思うよ。彼女あまりにもひどいと思うし慰謝料ふんだくられるがいいよ。

ここまで観てきて思ったのだが、このヒロインてトロフィーワイフみたいなもんでしかないんだな。類型的。メイン読者が男性の古い原作ならしょうがないとこはあると思うけど。監督がそういう嗜好の人でもある、とまでは言わないが、囚われの姫救出ものとかアナクロなものが好きなんだろうなあとは思う。疑問を感じることなく。女性の絶叫が好きなのも、物語ることにあまり興味ないのも伝わってくる。私とは嗜好が全く合わないとみた。
20年ぐらい前はトロフィーワイフ的だとか異議を唱えられることもなく、ド定番じゃん何が悪いの?ぐらいだったんだろうと思うと、近年の映画における女性(登場人物)の扱いが様変わりしてきているのはステレオタイプからの脱却という可能性も持ってたんだな。強い女性テンプレができてしまってる感じに辟易してるけど。

悪役は見た目のインパクトの割にパッとしなかったなー。闘う必要あったっけ?と思いながら派手なアクションを延々眺めて面白い訳はまあなかった。被害に遭う一般人目線で見てしまうのでアクション映画を愉しむ才能がないのもある。
親友ハリーも唐突な言動多くて茶番感あった。悪役と組む経緯はすんなりいった感じでそこはよかったかな。

吹替あり、英語字幕あり。
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