ヘッドチーズ

ゴジラのヘッドチーズのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
60周年リマスター版にて鑑賞、クライテリオン版ブルーレイ購入。

原爆や放射能による被害を受けた日本人なら見るべきだと思う内容。
水爆・放射能・戦争などテーマにしているが、60年以上前の作品がこんなにも現代に響く映画だったとは!
まさに邦画史に燦然と輝く不朽の名作!

本作品は未来に数々の警告を発していたにも関わらず、日本は現在最悪のシナリオに向かって進んでいる……
哀れ日本、そして我々日本人…


戦後わずか9年後に作られた映画とは思えないヘビーでリアルなSF作品。

シリーズの原点にして最高傑作!
純粋に恐怖の象徴として描かれているゴジラに注目してほしい、モノクロ映像の影響もあって巨大で恐ろしい存在として写る。
戦車の攻撃や高圧電流にもびくともしない強靭な体や、一吹きで街を焼き払う熱戦の描写は最初から確立されていた!
しかし忘れてはならないのはゴジラは人類が原因で誕生した怪獣、街を破壊する加害者であると同時に被害者でも
ある点。芹沢博士の開発した水中酸素破壊剤により葬られるゴジラはなんとも哀しい姿だった…

一方でシンゴジラは加害者の視点が強調されていて初代ゴジラのように「恐ろしくも可哀想な存在」といった感情が表現されていないのは残念だった。

これ以降に作られるゴジラがシリーズ化される毎に段々と大衆向けのスター怪獣(反戦・反核のテーマが弱体化)になっていく様子が皮肉…
60年代中期~70年代のゴジラなんか脅威ではなくアイドル的存在だw
放射能を撒き散らす怪獣がアイドルって…原発推進の時代だったからか?
ヘッドチーズ

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