麩

カリスマの麩のレビュー・感想・評価

カリスマ(1999年製作の映画)
3.0
むっずかしかったーーーー!
画面が暗すぎて顔も見えないどころかシルエットすらおぼつかないシーン多数、
顔も見せずに引きで殺人シーンを映し、殺されたのが誰なのか含めて一切の説明がない、
いきなりCGでキノコ雲そっくりの大木が現れたり、いきなりそれまで無かったパラボラアンテナが映ったりするけどそれもまっったく説明してくれないし、「なんで怯えてるの?」「何を見てるの?」「この人はなんでこんなことしたの?」みたいな疑問点がとにかく多すぎて、暗喩みたいなものが多すぎてとてもひろいきれんかった。


でも、さすがの黒沢清監督というか、
画面がおもしろいのでずーーっと惹きつけられる。一番最初の、廊下から撮った真四角のフレームのようなカット、車のフロントガラスから車内を映してガラスに周りの風景が流れていくカット、そんで唐突に流れる不穏な音楽や陽気な音楽も謎めいていてすごい。
草むらでさえも一本の木でさえも、あらゆる景色を不穏で意味深で陰鬱〜に映すことができる黒沢清はほんとにすごいとおもう
画面の切り替えも唐突でまたおもろい

カリスマという木を失って急に無秩序になっていく村
「どちらも助ける、その結果どちらも死んでもそれがあるがまま」とか「これからが始まりだ」とか徐々に発言力みたいなものを手にして力強くなっていく薮島の目的がはっきり見えないのが余計こわかった

カリスマに盲信的な桐山、カリスマを抱合する森ごと殺そうとする科学者、とにかくカリスマを切り倒そうとする村人、カリスマでお金を儲けようとする猫島、
それぞれの立場が宗教、科学至上主義、民主主義、資本主義ともとれるって考察を読んでほわ〜と思ったけど
意味のないものに価値を見出して奪い合って殺し合って人間は馬鹿だねーってこと?????
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