No.268[私が先にやっつけられちゃった] 30点
精神異常系ファムファタールと言えばそうなのかもしれないが、『拳銃魔』でも『天使の顔』でもない、ただただ虚言癖のあるお喋りな女という体たらく。しかもすべての問題解決が場当たり的な上にその発生と解決を並べているだけなので、最終的な目的もそれに至る動機も、そもそもここまで至った経緯も何も語られないまま、映画はどうでもいい時間を垂れ流し続ける。ここまで牽引力の弱いサスペンスもあるか、と正直がっかりした。アメリカ人夫婦とイギリス人夫婦が利害の一致からパートナーをスワップするのは中々滑稽だが、ロロブリジータの魅力を引き出せてはいなかったし、メインヒロインでもないし、メインヒロイン枠は上で述べた虚言癖のお喋り女なのだ。
ボギーとその腐れ縁の仲間4人、そしてイギリス人人妻の騙し合いというのが基軸になっているはずなんだが、マクガフィンとなる"ウラン鉱の眠る土地"というのが役割以上にふわふわしていて、途中からどうでも良くなった。観る価値なし。