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エルム街の悪夢2/フレディの復讐のASAのレビュー・感想・評価

3.2
途中で主人公がバトンチェンジするにも関わらず物語が破綻しない稀有な作品。
この作品で最も素晴らしいのはヒロインの鑑と断言できるリサ。
ザ・フライのヒロインばりにいい女。
主人公ジェシーの本質を愛しており、正気を失っても容姿が変わっても変わらずジェシーを愛し続けるその純情には胸を打つものがある。
稀に見る最高のキャラクターだった。

「エルム街の悪夢」の正当な続編で、前作の主人公が記した日記をもとに謎を解明していくサスペンス要素もあり、スリリングな展開で楽しめた。

ストーリーも良く、主人公に献身的な好感度の高いヒロインも登場する。

それなのに何か物足りないと感じずにはいられない。

それはフレディの魅力の無さにあると思う。

フレディと同じくホラーアイコンとして有名な「13日の金曜日」シリーズのジェイソンは、不死身で怪力の持ち主であり、多種多様の暗器を起用に使いこなしてエキセントリックに獲物を狩る。
と思いきや、ヘマをこいて獲物側からのカウンターを食らうドジっ子属性もあったりしてその可愛らしさに愛着が湧く。

それに比べてフレディはというと、右手にはめた鉤爪で切り裂いて殺すだけ。巨体で無言に殺しまくるジェイソンに比べて恐怖感が薄いし愛着も湧かない。

夢の中で皮膚が焼きただれた恐ろしい容姿で襲い、徐々に現実世界にまで踏み込んで獲物を追い詰めていくという設定はジワジワと恐怖を掻き立てるものがある。
しかし、やはり決定打にかける。
ジェイソンやレザーフェイスのように視覚的な恐怖感が圧倒的に弱いのだ。

だから主人公たちが追い込まれても緊迫感がないし、危機が去っても安堵感もそれほどない。よって、感動も生まれない。

ホラー映画において登場するモンスターのビジュアルや設定って、そのシリーズの存在意義そのものといっていいほど重要なモノなんじゃないかと思った作品だった。


オチは笑う
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