柏エシディシ

塔の上のラプンツェルの柏エシディシのレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
3.0
モアナ放送記念でWOWOWでやっててついつい観てしまいました。やっぱ良く出来てる。

ディズニースタジオアニメ節目の50作目にして復活作、と今となっては言っていいのかな。
今やスターウォーズやマーヴルまでもその傘下にいれて、エンターテイメント業界ひとり勝ち、貫禄のディズニーですが、つい10年前程までは保守エンタメの権化として斜陽の時期。
そこにジョン・ラセターがトップに就任、徐々に上向いていく訳ですが、決定作となったのは本作だった様に思います。

伝統の「プリンセス」もののフォーマットながら、ヒロインヒーローの造型はそこから脱構築しており、「新しいディズニー」の印象を公開当時も強く感じました。
ストーリーも自立と新しい世界へ踏み出す勇気が根幹にあり、生まれ変わるディズニースタジオを象徴する様です。

当初2Dアニメで企画が進行していたとの事で、アニメーションも「鉛筆で描いた様な」動きに意図的に寄せてる様で、その為の技術開発と併せて、これは他社の3Dアニメとディズニーの3Dのアニメを観た時の感触の違いに今なお繋がっているのではないかと思います。

アラン・メンケンによる歌曲も素敵だし、高低差や奥行きを活かしたダイナミックなアクションも見応え十分。
「アナと雪の女王」「ズートピア」というのちのヒット作、名作へ繋がる萌芽も確かに観られる佳作。
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