社会のダストダス

塔の上のラプンツェルの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
4.2
金曜ロードショウでやってたんですね…最近こういうタイミングをことごとく逃している。Blu-rayは持っているけどなんだか損した気分になったので、本日は掃除しながらアナ雪とラプンツェルを観る休日になった。

深い森の塔の中で18年暮らす少女ラプンツェルは母親ゴーテルと二人で暮らしている。ラプンツェルは生まれながらに魔法の髪を持っていて、外の世界から隔離されてきた。ゴーテルが外出しているときに、城の財宝を盗んだ逃亡犯フリン・ライダーが塔へ逃げ込んでくる。
彼をフライパンで昏倒させたことをきっかけに初めて外の世界に旅立つ、毎年自分の誕生日に夜空に現れる星を見に行くために。

言わずと知れたディズニーの3Dアニメーションの代表作。もう10年近く前の映画なのか、やっぱりすごいクオリティ。日本公開の時は東日本大震災ともろに被ってしまい、当時の自粛ムードに埋もれてしまった不運な作品。

マザー・ゴーテルはラプンツェルのもつ魔法の髪を自身に利用するために彼女を塔に閉じ込めている。冒頭で語られる通り、ラプンツェルは生まれて間もなくゴーテルに誘拐されているので、ゴーテルのことを母親だと思っている。
自分勝手な性格ながら、ラプンツェルを満足させようと努力する面もあり、多少なり親心はあったのか気になるところ。

フリン・ライダーは城からティアラを盗んで逃げてきた大泥棒。衛兵から逃げる最中、森の塔を見つけ侵入する。その際、計三度ラプンツェルからフライパンによる殴打を頭部に受けており、その後の後遺症が心配になる。
目を覚ますと盗んだティアラを隠されてしまい、ラプンツェルから自分を外に連れ出すように持ち掛けられる。自らを生まれつき人間離れしたハンサムであると自負する彼の誘惑も、ラプンツェルには通用せず渋々条件をのむ。
原語版の中の人は「チャック」や「シャザム!」のザッカリー・リーヴァイ、キャラのイメージピッタリ。

ゴーテルやフリン、酒場の悪漢たちなどラプンツェルが関わるのは問題のある人たちばかりなのも面白い。あと異様にキャラの立ったカメレオンと馬。
前述の凶器のフライパンやフリンをクローゼットに放り込む場面、ゴーテルに黙って塔を抜け出したことを後悔するシーンなど、かなりギャグセンスが高い作品だと思う。

ラプンツェルのまだ見ぬ世界での成長ストーリーであり、頭部に衝撃の走ったフリンの更生ストーリーでもある。探していた夜空の光の正体を知るシーンと“輝く世界”(I See The Light)が非常に印象的。

ディズニーのプリンス枠はフリンが一番好きかも、クリストフも捨てがたいが。