サスペンスというよりはヒューマンドラマの色合いが強いヒッチコック作品。
モンゴメリー・クリフトが殺人犯の男の告白を受けた神父という良い役を演っています。
神に忠実なその男はその職責を果たす為に苦悩します。
一度入ってみたいと思うけれど私は入ったことの無い例の狭い部屋で信者から告白を受けたら、神父はその内容について一切他言無用になる訳で、その辺りを上手く生かしたシナリオ。
二枚目男優が真面目な役をこなすというのはある意味で結構難しいのではないでしょうか?
あまりに優等生、あまりにベビーフェイス!と見られてしまいがちですが、本作のモンゴメリーはその苦悩をスマートに演じていて格好良かった。
ヒッチコックがサスペンスの傑作『見知らぬ乗客』(1951)の次に作った、良くできたヒューマンドラマだと思います。