和桜

ジャケットの和桜のレビュー・感想・評価

ジャケット(2005年製作の映画)
3.9
頭を負傷して精神病院へと送られた帰還兵。そこでの荒療治で意識を失うたびに未来へタイムリープする。
ホラー調なパッケージとは裏腹に、少し教訓めいて優しくなれるヒューマンドラマ。タイムパラドクス系としては少し弱いが、この手の映画の主題「運命を知った上で何を選択するか」という姿が切なくも心打たれる。たった一言で結末が分岐する瞬間や、未回収の伏線から新たな解釈が生まれ鳥肌が立った。
強いて言えば、恋愛より友情を選んで欲しかったな。

限られた時間のなかで滲み出てくる言葉がまた良い。「人間は我が身に起きた苦労話をするために頑張っている気がする」という台詞とか大好き。
キャッチコピーの「拘束(しば)れたい」というのは本編の趣旨とは全く関係なくて、様々な目線で見る人がいるんだなあと驚いた。だけど本編をねじ曲げて自分の趣味趣向を押し付けるのは今一なコピーだと思うな。
和桜

和桜