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ガントレットのしのレビュー・感想・評価

ガントレット(1977年製作の映画)
3.8
この映画はやけに興奮した夢に似ている。夢見ていた時は完璧につながっていたのに起きてメモをとると細部がちぐはぐだったりとそんな具合な夢。やけにスムースで一切の淀みのない夢。ラストシーンにおいて、バスに降り注ぐ銃弾の雨の中、バスは亡霊のようにのっそりと進み続ける。まるで映画が夢から覚めるのを拒絶するかのように。

ちなみに過剰な弾丸やバスのスピードが映像のポエジアを立ち上がらせていると言うのはいささか無理があるような気がする。こんなんでポエジアが喚起されてたまるかといった感じで、純粋に俺が認めたくないんだと思っているというのもあるけれど、なんというか直接的すぎるんだと思う。映像のポエジアはもっと抽象度の高い次元に堆積するべきものであるように感じる。

講義で見た。流れで講義を受けた監督と2日連続で昼飯を食って(なんなら俺自身は3日連続であららかららでカレーを食べて)いる。コンスタントに撮れてそれを軸に思考を先へと進められている監督が羨ましく思う。自分には共犯者がいないので、、
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