赤足

ドラえもん のび太のワンニャン時空伝の赤足のレビュー・感想・評価

3.8
劇場作品25作目!正直「ねじ巻き都市」以降から、劇場作品のドラえもんの絵柄やストーリーに関し藤子先生的要素が薄れ、オリジナリティを入れたりと実験的な試行錯誤している様子は伺えたが、やはり一作目から見ていると物足りなさや、違和感は否めなかったのが正直なところであった。そして今作がラスト作品ということで、若干の不安を持ちつつ鑑賞したのだが!しっかりと今までのドラえもん劇場作品の意思を受け継いだ作品となっており、一作目ののび太と恐竜を彷彿とさせるような、友情と笑い涙まで再現されているかのようで、素直に感動した。テーマも身近な犬や猫などのに焦点を当てわかりやすくメッセージ性ある内容であり、のび太と捨てられた動物達との心の交流と冒険は最後まで楽しませてくれた。今作が25周年ということで、それに因んだ演出などもシャレが効いていたり(笑)そしてこの作品を最後に長年TVのレギュラーシーズンと劇場版旧ドラえもん達の声を担当していた声優陣も引退し、新生ドラえもんへとバトンタッチされ今に繋がっているのをみると、藤子先生の遺作となった「ねじ巻き都市冒険記」の劇中で神様が言った言葉がふしぎと思い起こされた。「もう僕の役目は終わった、自然を大切にしてくれる君たちなら、この星を任せられる。私は行く次の星へ種を蒔きに!」とても感慨深く、ドラえもん劇場作品ラストを飾るに相応しい作品だったと言える。
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