よしだま

オール・ザ・キングスメンのよしだまのレビュー・感想・評価

オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)
3.0
 1949年、ルイジアナ州メーソン市。正義を愛する実直で社会革命の理想に燃える役人のウィリーは、州の役人タイニーに担がれて州知事選へ立候補することに。ウィリーは自分の貧しい生い立ちを語り、労働者や農民の立場に立った演説を続けたことで見事に州知事の座を射止めるのだった。しかし州知事という絶大な権力を手に入れた彼は、かつて忌み嫌っていたはずの汚職に手を染めていくようになる。


 リメイクとのことですが、元作品の情報などは何もなしで視聴。
 なるほど、成功劇なのか……にしては展開早いな?っていうか不穏だな?からの、人間としての転落劇、からの、と確実に良く悪く進んでいく事態にハラハラしました。

 記者ジャックの目線で物語が進んで行き、ジャックの言葉がウィリーのあり方に多少なり影響を及ぼしているのですが、ジャックの立ち位置があくまでも客観的にあるから、少し不思議な感じ。
 けしてすべてが無関係ではないのに、どこか浮いている、ウィリーの周りの出来事に係りながら過去と現在について思いを馳せたりするのが独特の間になっていて、どこかドラマ的に見えるのは、ジュード・ロウが美しいからかなぁ~とか、冗談だけどわりと本気で言ってみたりします。


 ただの役者さんファン目線で言うと、ジュード・ロウの演じる他人事のような美しさと、マーク・ラファロの演じるはかなさを満喫できる良き映画でした。◎。