Azuという名のブシェミ夫人

エイプリルの七面鳥のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

エイプリルの七面鳥(2003年製作の映画)
4.5
Thanksgiving Day、神の恵みに感謝して家族でご馳走をいただく感謝祭。
実家を飛び出してNYでボーイフレンドと暮らしていたエイプリルは、関係が上手くいっていない母親の余命が短いことを知り、感謝祭に家族を招待しもてなそうと考える。
料理なんてちっともしたことが無いエイプリル。
それなのに、当日になってメイン料理である七面鳥を焼く肝心のオーブンが壊れてしまったから大変・・・。

今くらいの時期になると観たくなるリピート映画なのだけれど、今回は自分でも引く位泣いてしまった。
この映画では母親だったけれど、うちは現在父親が闘病中。
父は昔から家族に対して怒ったりしたことが無く、不平不満も滅多に言わなかったけれど、今年の春病気が分かった後、少し苛立ったような様子を見せたり、我儘を言ったりした。
一度も寂しいなんて言った事が無かったのに、生まれて初めての手術を経験して入院した数日後、私達家族が帰るのが寂しいと弱々しく言った。
平気な素振りをしていたけれど、病気が分かってからというもの本当はとてもとても恐かったのだと思う。
だから、この作品の母親ジョーイの“生きる”と言う事に対して割り切ったように見せて、実は死への恐怖や心の葛藤、ストレスが常に隣り合わせにあるという様子が前に観た時よりも凄ーーーく良く分かる。
そして娘としてのエイプリルの気持ちもとても良く分かるから、もう大号泣ですよ。
私はそこまで目立った反抗期は無かったし、もともと家族が大大大好きだけれど、父が病気になってからは本当に家族の時間を大切に思ってる。
年末年始も父を沢山笑わせに行ってきます♡
うっかり自分語りが長くなった( 。-ω-)失礼

エイプリル役ケイティ・ホームズの赤毛前髪ぱっつんがとってもキュート♡
料理したこと無いにしてもヒドイなオイって感じの料理シーンは観てるこっちがヒヤヒヤします。
でも一生懸命だから頑張れ頑張れ!!!って応援したくなる。
壊れてしまったオーブンをキッカケに、エイプリルが住むアパートの住人たちとの物語を一気に加速させながら、その合間にNYへ向かうエイプリル家族御一行の会話によって観客はこの一家のこれまでの関係性を見出していく。
この描き方が飽きさせない上に、ラストまでに観ている私達はこの家族をすっかり知ったような気にさせられるのです。
更にその合間に登場する彼氏(超イイ人)やエイプリルが初めて関わった個性豊かなアパートの住人達との描写がユニークで、エイプリルと一緒に気持ちは焦りながらもクスクスと笑ってしまう。
『ドアをノックする』『ドアを開ける』・・・それがこの映画ではドア=心だったんだなーと思う。

寒い季節に暖房器具は欠かせませんが、ここはひとつ心をポカポカにする映画はいかがでしょうか??