あーさん

夏の夜は三たび微笑むのあーさんのレビュー・感想・評価

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)
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久しぶりのベルイマン。
しかつめらしい神の不在、だの親子の葛藤、、のような重々しい雰囲気は鳴りを潜め、珍しくロマコメ♪との触れ込みだったので、期待値⤴︎で鑑賞。


結果、
良い!良い!良い!

シェイクスピアの真夏の夜の夢・ベルイマン編♪

美男・美女の繰り広げる恋の鞘当て、あっちはこっち、こっちはあっちが好きで、、絡まり合う複雑な糸!
なんと、上手くいかないものだ。。

キャストは、ほぼスウェーデン人なので、知らない顔ばかり。(勉強不足💦)

妻を亡くした弁護士フレードリック
その幼妻アン
神学の道に邁進する真面目な大学生の息子
ヘンリック
セクシーなメイドのペトラ
御者のフリード

フレードリックと昔付き合っていた大女優デジレ

伯爵軍人マルコム
伯爵夫人シャルロッテ

このメンバーが、ああでもない、こうでもない、と傷ついたり傷つけたり、、
最終的に自分の本当の気持ちに気づくまでをコメディタッチに描いているのだが、いちいち会話が面白いし、モノクロの画面に映し出される構図のなんと美しいこと。。

この監督に影響された映画人が、本当に多いことに合点がいく。

全てが完璧!

一つ一つのカットが写真のよう。
何気ないシーン、一コマ一コマが宝物?というくらい素晴らしくて、ずーっと観ていたくなる。
小物使いの巧さ!
調度品や衣装がまた素敵。。
あちこちに遊びゴコロ満載なので、
流し見なんて絶対しないこと!!

ストーリーもキャストも映像も脚本も、全部が全部非の打ちどころがなくて、品があって、これぞTHE 映画🎬 と言われているよう。。



堪能致しましたm(_ _)m


新作も良いけれど、やっぱり映画も文学も古典が良いなぁ、と思うこの頃。
数年前カウリスマキ監督がインタビューで、1986年以降の映画は観ていない、主に1920〜30年の物をよく観ている、と話していたけれど、そういうことなんだなぁ。。

素晴らし過ぎて、ため息しか出ない。


ベルイマン、最高!











*MEMO

印象に残ったセリフ

男は自尊心の生き物。
手玉に取る心得は、それを逆手に取る!
大切なのは3つ、愛情、言葉、そして○○○
by デジレ(の劇中セリフ)

男なんて毛むくじゃらで自惚れの塊。
でも、、彼のためなら何だってするわ!
by シャルロッテ

人の話は聞かないことにしているの。
by デジレの母

若者は自分しか愛さん。
by フレードリック

大人は"恋愛は戦争やゲームと同じ"だと思っている。
by ヘンリック
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