miduki

トイ・ストーリー3のmidukiのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どんなに可愛いピンク色でいちごの香りがしても、狡猾なのは許せん(許せん)

2019.07.07 加筆修正。
トイストーリーの何が怖いって、子供向けの可愛い造形のおもちゃが腹の底ではとんでもないことを考えてるヴィランだったり、悪気ない子供の好奇心や、手放すと言うことがおもちゃを傷つけると言う描写がちゃんとあること。
それでいておもちゃに頼らずに遊ぶことなんて子供には到底できないことだし、大人も子供におもちゃを与えずに子供を育てることなんてできないし、大人になったら大部分のおもちゃとは別れなくてはいけない。
つまり、傷つくこと、傷つけることは避けられないことだということ。そしてそれはいとも簡単に起こりうることで、自分が加害者にもなっているということ。子供の時から感じてたことがようやく言葉にできた気がする。トイストーリーは現実だから怖い。

昨日放送があって、あるツイートを見かけた。
要約すると、「おもちゃの数だけ人格があるので、サニーサイド幼稚園のロッツォが偶然の不幸によりヴィランになってしまっただけで生産されたロッツォが全てそうではない。」というもの。

私はロッツォのグッズを下げてる子を見て、正直なところ「え、あんなおっかないのに」と思ったけど、サニーサイド幼稚園のロッツォも最初は販売されてたなかの一個体にすぎないということ。最初の持ち主とうまく別れられなくてヴィランになったことを考えると第二のサニーサイドのロッツォにならんように幸せになってほしいと願うばかり... 反省しました。

トイストーリーは登場人物がほぼおもちゃという性質上、グッズ化されると、映画の中のものとますます近くなり、映画のそれと同一視してしまったんだと思う。ほかの大多数の映画と違うのは、彼らは少なくとも"モノ"じゃないということだろうか。
だから普段は特にマレフィセントとかのヴィランズのグッズ下げてる人見ても特に何にも思わなくても、ロッツォはうわ!!!ってなったんだと思う。本物度が違うっていうとあれだろうけど...。私の感覚でいうと、キャラクターのモチーフと、キャラクター本人がそこにいる(!)ぐらいの差があったと思う。トイストーリーは現実だけど、他の作品とは圧倒的に違うのはそこだ。


ときどきモールを歩いてると、おもちゃ屋さんのとこにウッディとかバズが売ってる。トイストーリーとほぼ同じ仕様のおもちゃが。変なこと言うようだけど、ほんとに映画が現実になったみたいだなと思ってた。でも売られてるそれはアンディのじゃないしね...。


ところで、トイストーリーがいかに現実的かということについて考えてるとほんとに見たく"なく"なってきたやトイストーリー4...あんなに胸が引き裂かれる思いしたのにまだ引き裂くんか?(ビビり)でもいつか見るんだと思います。3まで見たのでね...。


「悪魔は我々の心の中にいる」って最近見た映画で聞いたけどなんだったかなと思ったけど、それもまた映画の中のヴィランから発せられる言葉でした。「フットルース」のショー・ムーア牧師のセリフです。牧師はふとしたときにでてきたこのセリフから自分の行いを反省して、最後には大人の勝手で禁じてきたダンスやロック音楽を解禁することになります。自分の心に悪魔がいることを自覚したので、改心させてくれるケヴィン・ベーコン がほしいです。
miduki

miduki