もるがな

トイ・ストーリー3のもるがなのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
5.0
最高傑作。金ローで久しぶりに見たわけだが、何度見ても泣いてしまう。泣かせに来ようとしているわけではなく、自然に涙が落ちるのだ。トイ・ストーリー1は子供の頃に何回も見た作品で、それによる思い出補正もあるのだろう。だがそれを差し引いても今作が傑作であることに疑いの余地はない。

ストーリーによる視聴者側の感情の操りがとにかく巧みで、寂寥感、安心感、焦燥感などが津波のように押し寄せてくる。エンタメのお手本のような作品であり、また人がいる場所ではおもちゃとして振舞わなければいけないという縛りがステルス&エスケープの脱獄アクションに繋がっているのもグッド。クライマックスの窮地でのどんでん返しも非常に痛快で、その言葉の意味が腑に落ちた瞬間には思わず安堵のため息とともに喝采をあげてしまった。

今作の悪役の立ち位置も素晴らしく、出自による抱えた絶望感が外に向いた時のえげつなさや、おもちゃの世界に持ち込んだ階級意識、鬼畜な振る舞いなどが際立っており、まさに最高の悪役である。

ラストは感涙必至で、思い出はいつまでたっても色褪せず、たとえ時が過ぎたとしてもそれは残り続ける。人によってこの作品に見出すテーマは様々だし、口で語るのも野暮な話だが、あえて言うなら「愛されること」だろう。それがひしひしと伝わってくるラストシーンは映画史に残ると言っても過言ではない。愛は残り続けるし、愛は続いていく。

余談ですが、一番好きなキャラはシンバルのサルです。キッズトラウマ案件待った無し。下手なホラー映画より怖くて笑えるw
もるがな

もるがな