ぴょんす

トイ・ストーリー3のぴょんすのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

もしこれでシリーズ完結してたら有終の美を飾れたのに。
…が、ラストシーンは見返す度に恐怖が増す。
だって、オモチャが所有者を選ぶって、やばいじゃん。(語彙力とは)

個人的には、一作目の初登場数分で感じたウッディへの嫌悪感やモヤモヤはここに繋がってたんだなと自己完結。

シリーズ通して多種多様なオモチャが登場したが、
そのどれよりもウッディの性格が1番
『人間臭く』て、そこだけがキャラクターとしてずっと 引っ掛かったまま。容姿を置き去りにしても、ディズニー主人公ましてや王道を走る人物像としては、ウッディよりバズの方がクラシカルな安定感がありとてもしっくり来る。

一作目から巻き起こる様々なトラブル(それを幾度も乗り越えて友情や絆が生まれるのだが)の最たる原因は、
ウッディの持つ『嫉妬心・妬み・承認欲求の強さ』から来るものだった。
それは時に過剰で被害妄想的にウッディに絡み付き、対象が脇役・主役関わらず牙を向き、一行を窮地へと追いやる事になる。
たしかに、窮地からの脱却→束の間の幸せ→またもや窮地、というジェットコースターは、その最大地点から抜け出る時に至高のカタルシスを視聴者へもたらしてくれるので、エンターテイメントとしては欠かせない材料ではある。だが、シリーズの主人公であるウッディの妬み性質や悲劇のヒーロー体質は、本来ヴィランキャラもしくはダークサイド落ちするダーティヒーローにこそ相応しく、キラキラしたファンタジーの主人公が持つべきものではないと思う。
この例え合ってるかな…?ジェットコースターで例えるなら、ユニバで乗る風神雷神のよう。(関西圏外・平成生まれは御存知ないかと…)
設備不良を疑いたくなる程がたついた仕様で不安になるが、かの有名なUSJだから演出だろうしいっか…!的な。

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今作でのヴィランであるロッツォが持つ妬み嫉みは、
その歪みを含めて、「然るべき」過去と経験に起因するものとして享受出来る。
オモチャとしての全盛期を過ぎ、当初の所有者との別れ、理不尽な暴力まみれな幼稚園(ロッツォ視点)でのセカンドライフは、悪役ロッツォの人格を形成するに余りある程しっかり役割を果たしている。

劇中、ロッツォは「今ならまだ間に合う…改心するならここしかないぞ!」というポイントで悉くウッディ達を裏切るが、天丼効果も相まって、裏切られるごとに痛快さは増していくのが妙。どうせならより高いところから、どうせならより複雑なカーブを多くくぐる方が、ジェットコースターは乗る甲斐がある。

終盤ではそんなロッツォへもしっかり天誅が下る。このシーンは、勧善懲悪としてもオモチャに対する救いとしても、どの観点から見ても落としどころとしては本当に綺麗に纏まっていると思う。

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ラストシーンを観たとき、
「どんどん人間ぽくなっていくなー」とぼんやり感じたウッディへのモヤモヤ感は9年後に公開されるトイ・ストーリー4にて確信へと変わり、しっかり暴れてくれました。

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ここまで、まるでアンチウッディ論のような書き方になってしまったけど、ウッディもバズももちろん、トイ・ストーリーの世界観まるごと全て好き(語彙力とは)だから故の駄文・拙文ですので御容赦ください。
お目汚し失礼致しました。m(__)m

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