スガシュウヘイ

ぐるりのこと。のスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

映画にはアクション、サスペンス、SFなどいろいろなジャンルがありますが、
私は“日常”を描いた作品が一番好きです。
変わったことは特に何も起こらないけど、
その中にある人生のドラマを映し出すというような種類の映画です。

そんな私ですから、
みなさんの高評価レビューもあって
本作にはとても期待していました。

だけど、、



うーん、な感じでした。


夫婦の10年間といいますけど、
リリー・フランキーも木村多江も
最初と最後でほとんど外見に変化がありません。
白髪が少し増えるとか、皺が一本増えるとか
そんな変化でも良いので、何か少し欲しかったです。

外見がずっと一緒なので
本当に10年間過ぎたの?
本当に子どもが死んでうつ病になって、そこから再生したの?
という時間的な薄っぺらさを感じてしまいました。



もうひとつ謎なのは、リリー・フランキーの職業。
法廷画家という特殊な職業にした理由は?
実際におきた事件とこの夫婦の事件を
まとめて一つの作品にした意味がよくわかりません。

地下鉄サリン事件とか幼女誘拐殺人事件とか
いやにリアルに証言していましたが
これは必要なのか?

「指を食べた」とか「100人殺しておけばよかった」とか
そんな不快な発言と
この夫婦の10年とどういう繋がりがあるのか
今一つ理解できませんでした。

裁判のシーンなどはいれず
夫婦に襲い来る悲劇とそこからの再生に
話を絞った方が良かったのでは?




ここまで酷評で書いてきましたが、
本作ではリリー・フランキーと木村多江のやりとりが、
とても自然で良かったです。
特にリリー・フランキーは新人賞獲っただけありますね。
適度な下ネタとか会話と会話との間とか、
観ていて心地良かったです。

「手は小さい方がいいんだよ~」の件は
今回のヒットセリフです。