放浪記の作品情報・感想・評価 - 2ページ目

「放浪記」に投稿された感想・評価

加東大介さんが天使にしかみえない。でこちゃんは下宿でうちわを扇ぐ動作を始め常に手に何かを持たされ、手渡され、運ばされているのだが(貧乏暇なし)、加東大介から手渡されるものといえばせいぜい金子ととんかつであって、そのとんかつも厳密には受け取っていない(はずだ)(忘れた)し何度かある金子の貸し借りも机や床に置かれ手渡しされることはない。一方でこちゃんは履歴書、原稿、タオル、手紙、書留など手渡し手渡されることによって次々と新しい生活へと放浪していくのだ。ラスト付近の火鉢を挟んだ二人を横から捉えた光景は加東さんの方が明らかに手に持ったたばこをもて余していて火鉢の底にぐりぐりやるそのしぐさはもう渡すものもその機会さえも失われた天使のやりきれなさがにじみ出てくるかのようだ
いけ

いけの感想・評価

4.5
高峰秀子を特段魅力的だと思ったことはなかったが、その考えは改めます。
今作の高峰秀子は可愛く、格好良く、エロい。まず一発目に画面に出てくるのは髪がほんの僅か乱れ疲れている高峰秀子なのだが、出てきた瞬間に改宗を決意。
その後も酒を飲み踊り散らかす溌剌さと、疲れ果てて斜め下を向いて悄気ている姿が1作品のなかで同居してかつ、なおも一貫性を持った人間であることを説得させてしまう。
Masa

Masaの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

すばらしい。


テンポ良。
林芙美子さんが、いつ、早く、この生活から脱していくのか、ヒリヒリ見せられる感覚。

的確なカット割。
構図。目線。

カフェにて、ときちゃんが、おじさんの妾にされそうなとき、フミコが悲痛な訴えを代弁し、場が緊迫したかと思えば、
その後、作家仲間たちが店を訪れ、コミカルな笑いを織り交ぜながら話が進んでいく。
緊張と緩和。

シーンとシーンの飛ばし方。
省略具合の妙。

学ぶべし。
Risako

Risakoの感想・評価

3.8
すごくいい
高峰秀子も最高だった
おじいちゃんおばあちゃんに囲まれながらの鑑賞だったけど最初わからなかった笑いのツボも終わる頃には一緒になってた笑
なんだか最後は、人生とは・・・とうるっとした
お、面白かった。恥ずかしながら陳腐な言葉しか出てこないが、高峰秀子が素晴らしかった。魅力に溢れていて素晴らしかった…凄かった。

全篇通してしっくりきっちり面白く観させてくれますよね。


蛇足。
他の成瀬作品や、古典?ともいえる邦画作品をもっと観て、少しは俯瞰で捉えられるようになって、また観たら味わいがまた増すのだろうという期待。
WOWOW録画鑑賞
高峰秀子主演作品で2作目の鑑賞。
「乱れる」も良かったが、こちらは共演者の面子が豪華すぎる‼️

行商人の両親と全国を旅して廻った主人公が、文筆家として成功するまでの貧乏生活を描く。
男運も悪く付き合った男は、婚約者がいたり、別の男性と結婚したが夫は売れない物書きで口論が絶えず、貧困生活が続き苦労が絶えない。
そんな男共に決別し、文筆家として生きていく主人公。
この時代の女性が一人で生きていくことが困難な時代に、逞しく生きぬく姿を高峰秀子が熱演する。
この大女優の作品をもっと観たい。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.8
放浪記といえば、故 森光子さんが2000回公演をしたとして有名な舞台で知っている程度。
そのずーと前に高峰秀子さんがまるで原作の林芙美子さんに乗り移ったように演じるこのような作品があった。
ヤドカリのように男から男を渡り歩き、一つの場所に固執せず、貧しさもさもありなんと飄々とやり過ごす。
林芙美子という人間がなんたるか、、がここに集結。
これを見て林芙美子を少し苦手だと想う人もいるだろう、私も少し彼女のその性格がこの通りだとすればなかなか共感し難い。

才能がある人間が聖人であるとは決して思わない(むしろ文学者においてはその逆が多い)けれど、見るからにだめな男に貢いでは、愛した男はその才能に嫉妬し、気の強さに尾っぽを巻いて逃げていく。
愛してくれそうな男にははっきりとお断りを入れて、そっぽを向いて甘えない。
何度でとそれを繰り返しても決してスタイルを変えない林芙美子の姿をかっこいいと取るか、不器用と取るかは人それぞれ。
でも、高峰秀子さんのやさぐれた女の演技はあまりに可愛げなくて林芙美子という人間を好きになるところまでに至らなかったのが正直なところ。
(それは同時に高峰秀子さんの演技の上手さなのだろう。)
人々の胸を打つ文章を描くためには貧しさを知り、恋にボロボロになる気持ちも味わい、嫉妬や恨みを持ったり持たれたりするもの・・・と達観して自ら不幸な道を突き進む芙美子にそう魂に位置付けられた運命があったのだろう。
芸術家や文学者はなかなか現世では報われない苦しい職種という残酷さ教えてもらえる物語であった。
Boss2054

Boss2054の感想・評価

4.8
井上ひさしさんの太鼓たたいて笛ふいて、
ト云う戯曲を以前読んだコトがある。
放浪記で成功してからの林芙美子の物語である。
それがいかにも面白かったので、観てみた。
原作は、舞台版の菊田一夫氏の戯曲。
残念ながら、その舞台版は観ていない。

何より驚いたのは、
林芙美子を演じる高峰秀子さんの演技の巧さ。
高峰秀子さんの乱れるを観たばかりだったので尚更である。
高峰秀子さんがこんなに巧い女優さんだったなんて…。
自分の不明を恥じるばかりである。
年代的には、
コノ放浪記が昭和37年、乱れるが昭和39年であるが、
乱れるの清楚なキャラクターと大いに違った図太くも繊細な林芙美子ト云うキャラクターを物の見事に演じている。
ホントに驚いた。

物語は、親子で行商をしている子供時代から、
放浪記を出して成功するまでの話である。

貧乏であるコトがモノを書くコトの原動力になっているのであろう。
何度もお金を手に入れる機会があるにも関わらず、
林芙美子は、その機会をそのキャラクターゆえに棒に振っている様に見えるが、
実は、モノを書く上での原動力トするために無意識に貧乏であり続ける道を選んでいる様にも思える。
またその男性遍歴もそうである。
仲谷昇扮する怪しげな新劇役者、
宝田明演じる如何にもな理屈ばかりのインテリ文士。
両者に林芙美子はいとも軽々と騙されてしまうのだが、
それももしかしたら、無意識のうちにモノを書くための原動力トするための行為に思える。
深読みし過ぎだろうか?

とにかく文才はあったのだろう。
才能ある作家や編集者たちが林芙美子の周りに現れる。
本人曰く、
学がないので思いを綴るしかないト云うが、
その方法論コソが時代に迎えられた最大の理由ではないのだろうか?

昔日の新劇俳優さんが大勢出ている。
加藤武さんや伊藤雄之助さん草野大悟さん
そして東宝御用達の俳優さん加東大介さん小林桂樹さんらの共演も楽しめる。

だが何と言っても、高峰秀子さんの演技力が群を抜いている‼︎
高峰秀子さんの他の作品も観たくなった。
Haruki

Harukiの感想・評価

4.2
窮乏に折れることなくあっけらかんと生きていく芙美子は力強い。
意外と恋愛体質であり、その半生はドラマチック。

詩情豊かな日記もかなり効果的で、作品全体で芙美子のダークな心をリアルに描ききっている。
林芙美子が放浪記を書き上げる背景のお話

「だって新しい女を口説く時は前の女の悪口を言う、それがお決まりのコースだって」