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春が来ればのドントのレビュー・感想・評価

春が来れば(2004年製作の映画)
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うらぶれてやさぐれた中年トランペット吹きが、炭鉱の町の男子中学に吹奏楽部の講師として赴任。子供たちとのふれ合いの中で自分自身を見つめ直していく、『悪魔を見た』『オールドボーイ』のチェ・ミンシクが邪悪さナシに演じるハートウォーミングドラマ。
コンクール、生徒の家庭、主人公の人生と成長、こういう系の作品に出てきそうな要素をあらかた乗せながら、それぞれのエピソードをそこそこ適度に繋げつつ、寂れた炭鉱の町の話もやろうとして、点描のようってんでもなく、あと悲しすぎる挿話もあって、全体に散漫になっている印象。でも2回出てくる海での一連の場面と終盤がいいんだよなぁ、とてもよい。
結果ではなくてどうやっていくかが大切なのよ、冬が来ればまた春が来るように、と語る物語を、普通のダメおじさんなチェ・ミンシクの演技力が彩る。各素材はいいのだからもっと洗練された形で観たかった。春のあたたかさはもちろん、冬の冷たさにも丸さが残る優しい映画。
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