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あの胸にもういちどのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

あの胸にもういちど(1968年製作の映画)
3.7
妄想が爆走した女の最期

あらすじ:レベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)は結婚したものの、不倫相手のダニエル(アラン・ドロン)が忘れられない。レベッカはついに彼から贈られたバイクにまたがり、国境を越え、ハイデルベルグに向かう。ダニエルにまた抱かれるために..(レベッカは独仏国境付近のアルザス地方在住と思われる。)

うーん、素っ裸でレザーのつなぎを着て、田園風景を爆走するレベッカは素敵でしたけど、一人ごとを呟きながらアランドロンとの愛の日々を振り返っていく時点で何となく妄想モードに突入していっていることがわかり、結局道端で仮眠していたり、店で休憩していたりという展開を何度も繰り返す構成です。早く会いたいなら真面目に走りなよ~と思っていましたがレベッカは「妄想」というガソリンで突っ走っていた模様ですね。

さて、この作品ではマリアンヌ・フェイスフルの透明感もさることながら、黒縁メガネ男子のアランドロン(しかも英語で話している)が自由恋愛という論理武装をしつつ、エロエロで知的なな大学教授(ハイデルベルグは大学の町として有名)として登場しています。うぶな娘だったレベッカを自分の思う通りに染め上げていく過程も刺激的で(これがバイクに乗っているときに挿入される妄想です)スキーリゾートで夜部屋に潜入しにきたり、東屋で絡んだりとエロティック。(ま、絡んでいるシーンはサイケデリックな色合いでごまかしてありましたが。そのままでも綺麗だったんじゃないですか...)ファスナーのを口で下してもらおうってどこから思いついたのでしょうか...


ラストは「やっぱりそうか」という感じです。妄想でふらふら走っていたのでヒヤリハットが何回も出てきましたし、ドイツに入ったらビールどころかキルシュワッサー(サクランボから作る蒸留酒)をショットでぐびぐびではね..飲酒運転でしょ、お姉さん。

刺激的なアランドロンとマリアンヌを堪能するための作品でした。ストーリーはあって無いようなものです。
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