このレビューはネタバレを含みます
※過去記事です
僕はTRICKに新らしさを求め劇場に足を運んだんじゃない。マンネリのTRICKを観て安心したかったんだ。
これは、TRICKにハマった事がない方には分らない感覚だろう。TRICKをTRICKとして成立させているのは、毎回変わるトリックでも、豪華なゲスト陣でも、散りばめられたバタ臭い冗談でもない。
敢えて言おう。
TRICKをTRICKとして成立させているのは、どうしようもないマンネリ感だと。
怠惰な高校生活、浪人生活を経験した方にはわかるであろう、何とも言い難い窮屈な自由さ、「どこにも行けない感」じゃなくて、「どこにも行かない感」とでも言おう懐かしい感覚。あえてこねくり回して意味のようなものを与えるならば、TRICKは、そんな感覚を思い出させてくれる有益な無駄なのよ、僕にとって。
無駄を美徳としない、頭の固くなってしまったおじさんとおばさんに告げたい。
人生は無駄だ。もっと無駄を愛そうぜ。
でも、DVDは買わないから星3.5だ。