たむ

ワイルド・アニマルのたむのレビュー・感想・評価

ワイルド・アニマル(1997年製作の映画)
3.8
兵役後、画家になりたいキム・ギドク青年は、レオス・カラックス監督作品と『羊たちの沈黙』を観て、映画の道に目覚めたと言います。
パリは特別な地なのでしょうが、韓国映画のど新人の監督がパリで映画を撮ってドニ・ラヴァンさんに出演してもらった、という内容以上に奇跡的なデビュー第二作です。

デビュー作品から荒ぶる暴力と怒りの作品ですが、本作からあるものをそれまで想像したことのない使い方を教えてくれるようになります。

その後のキム・ギドク監督の特徴を支えるアイテムは、本作の凍った魚から始まります。
ギドク監督以外に魚をあんな使い方するなんて誰が思いつくでしょう。

それ以外にもパリの韓国人という疎外感というテーマも前傾化していきます。
孤独と怒りと疎外感が、想像を超える世界観を提示してきますね。
たむ

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