ランブル前にポニーが敵対するチームの女と逢瀬を交わすシークエンスの自然光の美しさにハッとさせられる。ここに至るまで、リアリティを度外視した強風の発生による木々のざわめきや、スクリーンプロセスを併用した突飛な構図の画面(遊具の上に座るラルフ・マッチオの顔面を前景に、敵対するチームの面々を後景に配するときの視線のずれとテクスチャーの違いが凄まじい)を繋ぎ続けてきた作品故に、この自然な色合いにははからずもやられた。当時のアメリカ映画の青春ものではかなり上位の重々しさを携えた作品だったんじゃないだろうか。