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コミック雑誌なんかいらない!のvizilakeのレビュー・感想・評価

5.0
とんでもない映画だ。。
映画が越えてはいけない境界線を飛び越えてしまった大傑作だ。。
映画は現実に踏み込んではならない。。
勿論ドキュメンタリー映画というものがするので現実を切り取る作品は数多く存在するが、この映画はフィクションであるにも関わらずリアルに踏み込んでしまったのだ。。
芸能リポーターの苦悩を描いた作品である『コミック雑誌なんかいらない!』は当時世間を賑わしていた事件をリアルタイムでそのままフィクションに取り込んでいるのだ。。
それもその事件の張本人もそのまま映画に本人役として出演させているから衝撃だ。。
芸能界の裏側の醜さを痛烈に批判した社会派映画なのだ。。
この映画を観て一番考えさせられた点は【働く】と言うことの難しさだ。。
人間は生きる為に働く。。
食う為に働く。
社会を生き抜くことは容易くなく、時には自分が納得できないことだってやらないといけない。。
それが生きるということであり働くということだ。。
しかし、人間として真っ当でなければならない。。
内田裕也演じるキナメリは過激な突撃取材の末、この問題にぶち当たる。。
やらないといけないことと、本来やるべきこと。。
どちらを選んでも生きていけるはずなのだ。。
それならば、人間として真っ当な道を選択しするべきなのだ。。
、、難しいことなんですけどね。。
『コミック雑誌なんかいらない!』というタイトル通り、現実に起こっていること、苦悩を生きることはどんなフィクションよりも刺激的でとんでもないものなのだ。。
この作品から学ぶできことはあまりに大きく、一生かけて理解を深める必要がある。。
そして、ラストシーン、映画は最も恐ろしい壁をぶち壊す。。
その重要なシーンに登場する北野武もまた人間の一線を越えてしまった狂気の演技を魅せる。。
内田裕也も滝田洋二郎も影を潜めてしまう北野武の恐ろしさは必見だ。。
まさに、とんでもない映画なのだ。。
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