ゆうき

ファニーゲームのゆうきのレビュー・感想・評価

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
4.5
オープニングの出だしは、家族が曲当てゲームをしている。曲のジャンルは、クラシックだ。家族が別荘に着くと、急にヘビィメタルがかかる。クラシックは、安定した平和な生活を表し、ヘビィメタルが破壊を表すものとして使われている。この対比が、クリエイティブだと思いました。また、ゲームをしていた家族がゲームによる不幸を被るというレトリックに皮肉を感じます。世に常なるものは無い。災害やテロ、事故によっていまあるものが急に無くなることがありえる。そのような世の中の不条理を描いている作品です。
また若者の一人が、リモコンで巻き戻したり、カメラに向かって話すなど映画そのものに干渉している点が奇妙かつ興味深いと思います。終盤ヨットでのシーンにおける二人の会話が、現実と虚構についてであった。そこで一人が、「虚構は現実だろ。現実の映画もある。現実みたいに生々しい虚構。映画にも現実があるだろう?」というが、この映画自体それを望んで制作されたのだろう。現実的な虚構の物語である。
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