ミヒャエル・ハネケってだけでヤバイ一品。こっちはリメイクではなく原版の方です。
ご存じの方もいるでしょうが胸糞映画の代表的存在。なので未見の人には全くおススメできない。
平和な一家が白シャツのキチガイ兄ちゃん2人組にいいように嬲られるだけの映画。簡単に言ってしまえばそれだけの内容です。普通の映画のセオリーをことごとく覆し、ホンマに救いの無い展開の連続。ただ直接的なバイオレンス描写は少なくて、映像に映っていないところで惨劇が繰り広げられとる。コレ、逆に想像力の豊かな人ほどキツいんじゃ~ないかな?
兄ちゃんのデブじゃない坊主頭の方は時々こちら側に語りかけてくる。ゲーム感覚でまるで観てる側にも参加を促してるようだ。テメェみてぇなクソ野郎が第四の壁を突破してくんじゃねぇよ!と思いつつ観てると終盤、彼はとんでもない特殊能力まで披露してくれる。そんなんなら最初っから詰んでるやんけ。そしてラスト付近に現実と虚構について語り出す。ああ、なるほどコレはメタな内容だったんだな~とココで分かった。
この映画で監督はハリウッドの暴力へのカウンターパンチを放ったそうな。なるほど現実の暴力は決してカッコ良いもんでも快感を伴うもんでもなく(異常者は別として)実に理不尽でイヤーなもんだなと。現実世界でも変な輩に絡まれた経験があればイタイほど理解できます。
ホンマにヒドイ内容だが、そこを踏まえれば映画としてはよう出来てます。ただ、映画に何を求めているか?は人によるので、楽しんだり泣けたりと普通のものを見たいなら絶対触れないほうがいい。メッセージ性があるからといって決して楽しい話じゃない。むしろこの劇中では不愉快なモンしか映って無いですからね。