ハネケ監督作品、第4弾。
ジャケットからして、なかなか観る気になれない作品です。絶対嫌な気分になるだろうなって思って敬遠してたけど、ハネケシリーズということで、思い切ってみた…。
案の定、ひどい。ひどいんだけど、やっぱりこの監督、観ている人を揺さぶるのが上手い。
徹底的に支配と暴力を見せてくる。
暴力が起きるとき、振るう側には振るわれる側への同情や思いやりは微塵もなく、自分の行いの正当性を信じている。それを振るわれる側に主張して力で押さえつければ支配関係が出来上がる。
一旦支配関係が出来てしまうと、被害者がそこから逃げ出すのは簡単ではない。この映画ではそれを何度も何度も見せつけてくる。
逃げ場のない閉塞的な場所での絶望的な時間。DVや虐待もこんな風に起きているんだろうなと思うと、ゾッとする。
ゾワゾワ嫌な感じしかしないし、観ているこちら側に罪悪感を抱かせる演出にも不快感大。
誰かにおススメしにくい映画だし、何度も観ようと思う映画ではなのでスコアは低め。
ただ、何かしら得られるものはあるのかもしれない。