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ALWAYS 三丁目の夕日のTSのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
4.3
【高度経済成長期の希望に満ち溢れた日本】91点
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監督:山崎貴
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:133分
興行収入:約32億3000万円
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2006年日本アカデミー賞最優秀賞作品。
以前間違えて三作目から見てしまい、後悔しながらも楽しんだ今シリーズ。そして戻って一作目を鑑賞しました。やはり、自分は今シリーズがとても好きです!当時の人の微笑ましい何気無い生活を描いた作品にハズレなし。昭和のノスタルジーを感じれるとともに、泣ける話が多いです。もっとも、自分は平成生まれですが(笑)

1958年の日本。高度経済成長期に入った日本の東京では近代化が進み、東京タワーが建設されていく。そんな中、集団就職として青森の星野六子は東京の鈴木オートに就職するのだが。。

1958年というと「なべ底景気」の時でしょうか。世に言う三種の神器が一般家庭に普及していく時期です。三種の神器とは言わずもがな、白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機を指し、白黒テレビに関しては手に入れた裕福な家にしょっちゅう人が集まる程の人気ぶりだったようです。鈴木オートはそれをいち早く入手し、周りの人を集めて歓声をあげながら鑑賞します。このシーンに何故か涙が出たのは自分だけでしょうか?(笑)今では普通にあるものをこれ程感動的に捉えているシーンには、やはりこちらも震えてしまいます。大田キンが飲んでるコーラも当時ではまだまだ新しい飲み物であり、則文には「醤油みたいな飲み物」と言われ罵られます。このあたりの今とは若干違う価値観、文化が非常に微笑ましく、最後まで飽きずに見られます。

昭和時代を生きなかった自分ですらこれ程のノスタルジーを感じれるので、高齢者の方がこれを見るとどう感じられるのでしょうか?一部の批評家が言うように、確かに当時の綺麗な部分しか映していないのかもしれません。しかし、今作はそういう話ではないので別に良いと思います。人々が残す記憶とは、たとえ悪いことがあってもいつしか良いものに変換されていくものです。勿論、この悪いこととは大事に至らないレベルのものではありますが。。

また、集団就職をして不安ながらも頑張っていく六子の姿にも感動させられますし、本作の主人公である茶川竜之介のエピソードも素晴らしいです。当時の人全員が幸福ではなかったかもしれませんが、こんな生活、ちょっと憧れませんか?裕福でなくても良いじゃないですか。駄菓子屋を経営していたら、真向かいの自動車修理屋がたびたび騒いでる。食あたりになれば、知り合いの医者がバイクで駆けつけてくれる。見るからに、皆幸せそうです。半世紀経てば現代の雰囲気も是とみなされるかもしれませんが、やはりこの当時の雰囲気には何か神秘性らしきものを感じます。

何かが突出してるわけではなく、総合的に良いと言える作品です。好みが分かれるかもしれませんが、僕はこの世界観が大好きであります。すぐに続編を見たくなった作品も久々です。
それにしても日本アカデミー賞の安定感は凄い。本場のアカデミー賞より個人的には安定しています。どんどん発掘していこうかな。。
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