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ヒット・パレードのpikaのレビュー・感想・評価

ヒット・パレード(1948年製作の映画)
4.5
最高過ぎて死にそう!延々と面白さしかない!メタメタに良かった!むちゃくちゃ楽しかったー!っつって見終わって色々調べたらセルフリメイクだと知り、その元の作品である「教授と美女」について調べるとホークス作品の中でも屈指の傑作とのこと、ではなぜセルフリメイクを?言語学者の「教授と美女」を音楽歴史学者に変えたらジャズ映画としても楽しめるぜ〜ってところからアップデートの意図があったのだろうか。
それはさておき、冒頭の民族の求愛ソングからワッハワッハと笑わせていただいて、窓拭きの黒人コンビの思わぬジャムに大真面目に解釈する教授陣がたまらなく可笑しく、こんな口説き方があるのか!っつー凸凹な男女のロマンスが愛おしすぎて、全編見どころしかないくらいとても楽しい。
音楽映画としても素晴らしく、様々な人たちが音楽は共通言語やー!とばかりに集まって音楽を奏でて行く展開、ジャズの成り立ち、クライマックスの大オチまでも音楽という素材が映えるよう計算された演出に圧倒される。さらに音楽が最高のアイテムになっているにも関わらず音を消して見ても魅力は損なわれないのではないかと思うようなサイレントコメディ的な演出も素敵だ。大仰なドヤッた感は一切なく、スマートなほど小気味よく収まっていて鮮やかなほど。
このまま音楽映画でもいいよ!ってなくらい面白いのだが、メインであるロマンスもめっぽう面白い。こういうロマンス映画で省略されがちな〈理由〉に説得力を伴わせていて良いし、恋心を光で表現するところも粋。浮かれて真夜中歩き回って用意されたコーヒーやトーストを前に前後不覚になるシーンはたまらなく良かった。ダニー・ケイが良い!ゾロゾロワサワサ七人揃って行動する教授陣の愛くるしさもハイライト的な魅力になってる。

なんて非常に感動してめちゃくちゃ楽しんだのですが、創造主であるホークスは今作を「仕方ない」程度のやる気で作ったそうで、元の映画である「教授と美女」こそ本物である、との情報を得たので今作だけで終わるワケにはいかない。これだけでもこんなに面白いというのにどれほどのものなのだろうか。楽しみすぎる。
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