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機動警察パトレイバー THE MOVIEのesewのレビュー・感想・評価

4.0
2020.10/25 no40

ガンダムっぽいなんかとしかイメージがなかったパトレイバー。

押井守が作ったらしいというイメージしかなかったパトレイバー。

存在は知ってたけど一度も見る気が起きなかったパトレイバー。

大人になってから見ると、描きたいものがわかる。オネアミスとか逆襲のシャアとか同じで人間ドラマ、中間的な立ち位置でもがく人々の葛藤と半ば諦めからくる軽さ。時代的な空気感なのかな。どれも巨大組織が存在して、その末端かオルタナティブな独立組織の話。

巨大組織を意識させる巨大建造物と細部これだでもかと描かれた内部。決して到達できない組織上部と、歯車の一部でしかない組織内での立ち位置が暗示されてるかのよう。

とにかく画が上手い。上手すぎて怖い。描写に生命が宿ってる。脚本も薄っぺらくない。むしろなぜ80年代末にこの地点に到達してて、この後衰退してい現代に至るのか。そっちのが気になってしまった。偶然に天才がいっぱいいただけなのかなんなのか。今ハリウッド資本で200億円出すからって言って日本アニメ界の現役でベストな人材集めてももうこの画は描けないんじゃないかと思うくらい上手い。

しかし押井守は巨大ロボット、特に巨大ロボットバトルは好きなのだろうか?そんな好きそうじゃない印象を受けた。内部構造や機構が好きなだけなんじゃないのか。

開発される前の東京に残された日本家屋の風景もそれを知らない世代としてはへーって感心させられた。

見てない人は面白いのでぜひに。
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