大菩薩峠の作品情報・感想・評価・動画配信

「大菩薩峠」に投稿された感想・評価

妖剣「音無しの構え」でいたずらに屍の山を築くダークヒーロー・机竜之助という主人公像が面白い。
まったくまばたきをしない仲代達矢の演技がサイコパス感を出していてよい。
原作の長編小説が未完なので、本作もいいところで終わる。
リズミカルなカットとドキッとするようなつなぎ、執拗な対話者の背中越しのショット、水車小屋での強姦のメタファーとしての杵のピストン運動、御嶽山奉納試合後に待ち伏せされた林の中に差し込む光の美しさ。
長尺の殺陣もみどころ。
原作・中里介山著の時代小説。
1913年-1941年に新聞に30年にわたり連載された、41巻(未完)の長編小説。

作者の中里介山はこの小説を「大乗小説」と呼び、仏教思想に基づいて人間の業を描こうとした。
作者の死により未完となる。

虚無にとりつかれた剣士・机竜之助は「音無しの構え」で知られる名うての剣客。
理由なく斬りつけ、にやりと不気味な笑いを浮かべる姿はまさにサイコパス。
ILLminoru

ILLminoruの感想・評価

3.0
中里介山の小説『大菩薩峠』を監督:岡本喜八、脚本:橋本忍、主演:仲代達矢で映画化したアンチヒーロー時代劇。

「斬る」ことに取り憑かれ、坂道を滑り落ちるように非道を繰り返していく男、机竜之介を仲代達矢が狂気の眼差しで見事に演じきってます。
序盤とラスト半狂乱になり新選組を斬りまくる長い殺陣、中盤の雪景色での三船敏郎の殺陣は見応え十分。

が、

製作途中に東宝上層部から「後編は中止」との通達。そこで岡本喜八は、作品が中途半端で尻切れトンボになることは承知の上でとんでもない荒業で終わらしている...

唐突すぎて、「えっ?!」とホントにビックリして声出ちゃいました。

作品としては余りにも中途半端で終わってしまうのでオススメは出来ないかなぁ。
アクションとにかくアクション。
序盤の立ち合いの静寂と、宮本武蔵がたった一人で吉岡一門数十名の対決した決闘を思い起こすような机竜之助(仲代達矢)の終盤は良い。
でも、いろいろ伏線回収しないままに、えっ?そこでかい~って終わり方がなぁ…。

昔の映画でありながら、お松役の内藤洋子は、目がくりくりのイマドキの可愛らしさ。
一瞬、広瀬すずに見えて、だんだん全裸監督の森田望智にも見えてきた(笑)
調べてみたら、喜多嶋舞のお母さんなんだね、びっくり。
さっ

さっの感想・評価

4.5
斬殺アクションに焦点を絞った潔さ。喜八のチャンバラは切られ役たちの死屍累々が画面を埋め尽くすところが他と違う。サイコパス仲代も素晴らしいが雪の三船は圧倒的強キャラぶり。仲代の浪人笠がシネスコのフレームにぴったり収まる冒頭から嬉しくてたまらないです
Nao

Naoの感想・評価

3.5
斬ることに取り憑かれたペシミストな剣士を描く。仲代さんの異様な演技はやはり流石。原作ありのダークな雰囲気であまり喜八っぽくはない。霧や光の美しさ。ラストの居間での殺陣が特に印象的。
2021年62本目
雪が降るシーンでのカメラワークや、光の使い方、本当見事。
素晴らしい!
机が持つ剣の天賦の才は、天からの贈り物であるのか逆に呪いであるのか。その葛藤が露見する終盤の一人での殺陣は邪悪で陰鬱であるのは間違いないが、観客にとっては祝福以外の何者でもないではないか。仲代達矢、圧巻の立ち回り。あまりに多くのものを背負った「許されざる者」の物語。
うちだ

うちだの感想・評価

3.0
タイトルは知ってたけど初めて見て、なんじゃこりゃ?と思って調べたら原作も未完だったのね。当時の人は知ってて当然だったのか。お松かわいい。

追記
と思ったら!お松は喜多嶋舞のお母さんなんだ!へー!
斬ることに憑かれ理由なく通りすがりの人すら斬殺する邪悪な侍、机竜之介を描いた時代劇。そんな男を主人公に据えているので全編おかしいけど終盤はなにもかもが異常。サイケデリックな映像に凄惨な殺陣。なにもかもが狂いどおしなまま突き進む。完全に既知の枠外にある映画です。5億点。
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